まさおレポート

シンガポールエアラインは満席 人材のボーダレスに思いをめぐらす

昨日はシンガポールエアラインでシンガポールへ飛んだ。大型機種であるA380が満席に近い。時期もあるのだろうがすばらしい満席ぶりだ。格安航空会社が参入しているにもかかわらずこの満席ぶりは、やはり大勢はブランド航空会社利用を好むということだと理解したが、格安航空会社は発展途上でますます伸びるのかもしれない。

JALは今年の10月でデンパサールから撤退した。JAL倒産後の整理によるものだが、倒産は主として人件費が異常に膨らんだためだとメディアは解説している。JALではパイロットなど250人が整理退職を余儀なくされたとのニュースも読んだ。シンガポールも人件費は日本と比べて格段に低いわけではない。80%程度だろうか。経営状況が不明なだけで内実は苦しいのかもしれない。

ホリエモンが週間誌に寄稿している記事を面白く読んだ。最近の航空機操縦は離着陸の数分間のみ機長が操縦桿をにぎり、それ以外は自動操縦だという。だから諸外国の安い航空会社をはじめとしてパイロットの給料はどんどん下がっており、特別な職業ではなくなっているという。ソニーの大賀相談役によるとプライベート機の操縦でも無線免許や計器のみによる免許も必要であるというのでプロの操縦士がバスやタクシードライバーなみになるというのは言いすぎだろう。しかし操縦技術だけでいえば簡単なものであるらしい。

エアアジアなどの格安航空会社は人件費の高い航空会社の間隙をついて驚くような価格でアジア圏に参入してきている。バリからシンガポールまで3千円以下でいける場合もある。タクシーでサヌールからデンパサール空港を往復する値段と変わらない。これもパイロットやフライトアテンダントの賃金がアジア諸国の低賃金で雇用できることによるのだろう。格安航空会社はどしどしローカルのパイロットを訓練して育て、先進国の航空会社はパイロットの人件費でますますこれらの格安航空会社に客を奪われていくのだろうか。あるいはある程度の層を確保するが、それ以上は伸びないのだろうか。問題は安全性で、今後の展開でも安全性に対する信頼が高まれば一層顧客シェアをアップしていくだろう。

人件費だけで本当に格安航空会社の水準まで料金が落ちるものだろうか。たとえば成田ーデンパサール間の人件費はどのくらいになるか。勝手な推測をすると、機長、副機長 客室乗務員合わせても一往復で300万円程度だろうか。平均200人を運ぶとしてアジアの給与水準が10分の一とすると乗客一人1万円程度料金が下がる。一般管理費、整備費、空港使用料、機内食などの客室サービスなど、全ての面でアジアの人件費で統一すると格安料金が成立するのだろう。

機長 年間2000万円 会社負担3000万円
副機長 1500万円 2250万円
客室乗務員 800万円 1200万円*10人=1億2000万円
年間計 1億7250万円
年間フライト 60往復
一往復 288万円

話が変わるがNTTデータがインドの会社を買収してインド人ソフトウェア技術者を6000人抱え、ゆくゆくは2万人にすると16日の日経新聞で読んだ。これも給料賃金が3,4割で抑えられるためという。IBMがインド人を自前で訓練して安い労働力でソフト産業を席巻してしまうことを恐れており、その対抗策だと榎本氏が紙上で語っている。遅きに失したというくらいだという。たしかにそうだろう。2000年当時私の在籍した会社でもすでにインドで顧客システムを開発していたくらいだから。

格安ついでに言えば、今後は世界各地の一流ホテルが格安化に向かってほしい。ホテル料金は不思議と世界共通であるがこんなおかしな話はないとかねてから思っている。現地の労働力で成り立っているのだから、物価水準から本来もっと安くなってよい国が一杯ある。




















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