まさおレポート

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ドスエフスキーはアリョーシャを切望していたのだ

2023-02-15 | 小説 カラマーゾフの兄弟

ドスエフスキーは「カラマーゾフの兄弟」でロシア人の原型を表現した。野蛮で狡猾なカラマーゾフの血が流れている彼らのあるいは自己の冷静な批判の上にカラマーゾフの血が流れていながらも救済を目指す人物アリョーシャを書き切ろうとしたが未完に終わった。未完に終わったという点が実に予言的だ。「カラマーゾフの兄弟」は「ロシアの兄弟」なのだった。

ドスエフスキーはアリョーシャを切望していたのだ。イワンドミトリーそしてフョードルをも説得しうる人物を。そしてロシア正教会にゾシマ長老を。

 


プーチンが兵士母の会で「人はいずれ死ぬものだ」と言い放った。わたしにはいかにもイワンが言いそうな言葉に聞こえる。


追記

下記の気になる記事を転載しておきます。ますますドストエフスキー「カラマーゾフの兄弟」のイワンを暗示している気がしてならない。

1 イワンは西欧を捻れた感覚で見ている。惹かれながら憎んでいる。プーチンも同じではなかろうか。

2 イワンは神を嫌いながら神を作り出さないといけないと不遜な考えをもつ。 プーチンもロシア正教会の長老(元KGB)を引き立てている。

3 イワンは狂っていき、作者ドストエフスキーは最後は狂死を示唆している。プーチンはどうだろう。本当のところは不明だがこのところ精神変調などを報道されている。報道される動画を見ても目がなんだか異様な目つきに見えてくる。

4 未完の次作では三男アリョーシャがロシア皇帝を倒す予定だったらしい。果たしてアリョーシャがロシアに現れてくれるだろうか。現れて欲しい。


この点で、プーチン氏が近年、精神的に不安定な発言をしているのが気になる。20181018日、各国のロシア専門家らを集めて行うバルダイ会議で、核使用に関する質問に、「ロシアがミサイル攻撃を受ければ、むろん侵略者に報復攻撃する」などと述べ、「われわれは侵略の犠牲者であり、殉教者として天国に行く。彼らは罪を悔いる暇もなく、死ぬだけだ」と語った。核戦争の結果、「天国」に召されるという異常な発言だった。
 9月30日の4州併合演説でも、新約聖書に出てくるイエス・キリストの「山上の垂訓」に触れ、「イエスは偽預言者を暴きながら、『これらの毒の実によって、彼らを知るだろう』と言われた。毒の実は、わが国だけでなく、欧米を含むすべての国の人々にとって明白だ」と意味不明な発言をした。「イエス」や「天国」に触れることも気がかりだ。
 プーチン氏は米国人のオリバー・ストーン監督が密着取材した記録映画、「オリバー・ストーン・オン・プーチン」(2017年公開)で、死に関する質問に、「神のみぞ知る」「だれもがいずれは死を迎える」と述べ、大事なのは「かりそめの世」で何をなしえたか、人生を謳歌したかだと答え、かすかな余裕の笑みを浮かべた。
 これを紹介したロシア文学者の亀山郁夫氏は、「プーチンのこの、あまりの達観ぶりに、一瞬、背筋が寒くなるのを感じた」と書いた(「日本経済新聞」電子版、2022年7月7日」)。「だれもがいずれは死を迎える」の一言は、一種のニヒリズムを感じさせる。
 9月30日の演説では、「アメリカは世界で唯一、核兵器を2回使用し、日本の広島と長崎を壊滅させた国である。核使用の先例を作った」と批判した。先例があるので、2回目は許されるともとれる発言だ。
 
対ウクライナ戦術核使用を決める「プーチン殿の13人」
執筆者: 名越健郎
2022年10月13日

初稿2022-04-15 10:20:28

世界を核で脅かし、世界からジェノサイド、虐殺者と非難されるプーチンの思考回路は一体どのようになっているのだろう。自由主義に組する国と相当に異なっていることは確かだろう。そして80%以上の支持率を誇っているということはロシア国民もプーチンの思考回路と共通したものが根底にあるのかもしれないが情報統制の結果かもしれない。ロシア国民のプーチンの思考回路と異なる人たちも必ずいることに期待したいのだが。

プーチンの思考回路を考えるにあたってドストエフスキーの「カラマーゾフの兄弟」に理解のヒントがあるような気がする。


 【ワシントン=横堀裕也】米中央情報局(CIA)のウィリアム・バーンズ長官は14日 プーチン氏について「ロシアの影響力を取り戻すことが運命付けられていると、神秘主義的に信じ込んでいる」と分析。「ウクライナの支配なくして、ロシアは大国たり得ない」との考えのもと、今回の侵攻に及んでいるとの見解を語った。

https://www.yomiuri.co.jp/world/20220415-OYT1T50204/


「カラマーゾフの兄弟」の主要な人物イワンを連想してしまう。イワンは大審問官の話を弟のアリョーシャに話して聞かせる。神のいる世界は受け入れられないので自らが民に必要な神を作り出さなければならないという。大審問官の物語を借りてカソリックに代表される世界の宗教概念を覆す宣言をする。目覚めたものは何をやっても許されるという考えを持つ男イワンをドストエフスキーは作り出した。

プーチンはイワンと重なる。両者は不遇な育ちをしている、頭が良い、金儲けの才もある、女好きである、そしてイワンは無神論者でプーチンもおそらく無神論者だ。

イワンは悪魔の幻覚を見るようになり狂う。ロシアの未来は弟のアリョーシャが担うように示唆しながら小説は終わり、予定された続編は作者ドストエフスキーの死によって幻のものとなった。作者の語った所ではアリョーシャは皇帝暗殺者となる構想だったとか。

ロシア人も幅広い、長兄のドミトリーは小さな子供たちがひどい目にあっているのに罪悪感を持ち、囚人となって償いたいと考える男で、弟のアリョーシャはロシアの大地信仰に根を下ろした慈悲深い信仰心をもつ。

米国をはじめとした世界はロシアの侵攻をハイテク兵器の無償提供と経済封鎖で抑えようとしている。これも相当な効果を持つことを大いに期待するのだがプーチンがいる限り短期的には無理だろう。

世界は、そして実はロシア国民もロシア人の中からドミトリーやアリョーシャ、そしてゾシマ長老の登場を待っているのではなかろうか。

ただしロシアのキリル総主教にゾシマ長老に相当する期待を込めたいがどうもその期待を大きく裏切るような存在らしいことも大きな問題だろう。


元ウクライナ大使の角茂樹氏は「総主教というのはキリストの弟子の後継者であり、聖なる人と見られる人物ですが、キリル総主教は政治的な力も持っていると言われています。私の知人の聖職者はキリル総主教について『1に政治家、2に外交官、3,4がなくて、5に聖職者』と言っていた。批判する人もたくさんいるのは事実です」と話す。

https://www.j-cast.com/tv/2022/04/14435308.html?p=all


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