量子力学の説明といえばつきもののスリット実験で不可思議な現象である波動と粒子の二重性が起きることはよく知られている。観察すれば波になり、観察しなければ粒としての痕跡がボードに記録される。
人の観察エネルギーという現代科学では理解できないものが量子力学の実験に影響を与えるということで興味深々だったのだが。
スリット実験で粒子と波の二重性の説明をする野村泰紀氏が新鮮だった。人が観察したらなぜ粒子になるのかに対して観測機械が極めて微小な影響(光を当てる)を与えるためだと。観察者の何かサムシングが影響を与えるという理解に腑に落ちなかったのだがこの説明で納得。
しかし一つの穴(スリット)にのみ観測機械を置き、他の穴はおかない実験では二つとも観測機械を置かない実験と同じ結果になる。これに対して野村氏はパラレルワールドで説明する。いきなりスリット実験でパラレルワールドが導かれるとは新鮮で驚きだった。
理解不可能なパラレル世界に対して、この宇宙はよくできすぎている、緑と海に恵まれた美しい世界を述べ、「パラレルワールドを考えなければ説明がつかない」つまり腑に落ちないとの回答は実に感性的だ。パラレルワールドは10の1000乗あるいはもっと多数あると考えていると述べ、そしてそれぞれの宇宙は粟粒のイメージで説明する。
どこまでこのパラレル世界論やヒモ理論でやっていけるかは誰もわからないがとにかくやっていくしかないとの話も最先端物理学者の本音が聞けて面白かった。
こういう楽しい力作動画が最近増えてきている気がする。かつてのテレビ放送などのメディアではこの豊富なコンテンツはとても期待できなかった。このような時代に生きていることに感謝している。
https://www.youtube.com/watch?v=DEG9OZoYzIU&t=31s