日毎の糧

聖書全巻を朝ごとに1章づつ通読し、学び、黙想しそこから与えられた霊想録である。

 妻を愛し、夫を敬う

2010-03-22 | Weblog
 ホセア1章

 1節 表題 北イスラエルの預言者
 ヤロブアム二世~ホシェア(列王記下14~17章)の時代を背景にしている。

   2節「主はホセアに言われた。『行け、淫行の女をめとり、淫行による子らを受け入れよ。この国は主から離れ、淫行にふけっているからだ』」。主なる神からのこの過酷な呼び掛けは何か。ここにイスラエルが偶像礼拝(姦淫)を行っている事と淫行の妻をめとることが重ね合されている。一説によればゴメルはバール神殿の巫女だと言われる。
夫と妻を神と民との関係で捉えることは、出エジプト記34章13~15節にある。偶像礼拝は姦淫である。エレミヤ13章26~27節、エゼキエル23章にも語られている。
  3節「彼は行って、ディブライムの娘ゴメルをめとった。彼女は身ごもり、男の子を産んだ」。主から第一児の命名を「イズレエル」とするよう告げられる(4節)。
「イズレエルの流血」は列王記下9~10章のイエフがサマリアで行った粛清事件を指す。イエフはバアル礼拝を排除したが、徹底はしなかった(10章29~31節see)。
  6節「彼女は再び身ごもり、女の子を産んだ。主は彼に言われた。『その子をロ・ルハマ(憐れまれぬ者)と名付けよ。わたしは、もはやイスラエルの家を憐れまず、彼らを決して赦さないからだ』」。ホセアは二人目の女児誕生に対して、既に妻の姦淫を見ている。これによってイスラエルの赦されない姦淫を描きだす。
  8節「彼女はロ・ルハマを乳離れさせると、また身ごもって、男の子を産んだ」。三人目は男児であった。その命名も主から告げられ「ロ・アンミ(わが民でない者)」とした(9節)。これは主なる神との関係破綻と断絶を指している。アッシリアによる北イスラエルの滅亡は紀元前722年、ホシェア王治世9年に起きた。預言者ホセアは、このことを見据えている。

  ホセアの家庭崩壊という実体験によって、イスラエルの神に対する不義と不真実を語るということは、誰にも出来ることではない。そこには激しく神の真実な愛を求める預言者の生き様である。

  キリスト者もまた、真実な愛で結ばれる夫と妻の関係をエフェソ5章から示される。「妻を自分のように愛しなさい。妻は夫を敬いなさい」(33節)とあるように。