日毎の糧

聖書全巻を朝ごとに1章づつ通読し、学び、黙想しそこから与えられた霊想録である。

平和を大河のように

2014-05-15 | Weblog
 イザヤ66章 

  12節「主はこう言われる。見よ、わたしは彼女に向けよう、平和を大河のように国々の栄えを洪水の流れのように。あなたたちは乳房に養われ抱いて運ばれ、膝の上であやされる」(新共同訳)

  1節「主はこう言われる。天はわたしの王座、地はわが足台。あなたたちはどこに、わたしのために神殿を建てうるか。何がわたしの安息の場となりうるか」。新しいエルサレム神殿を示す。それは地上に建てる神殿ではない。主が顧みるのは、霊の砕かれた、謙って心慄く人である(2節)。これは神殿から告げられる言葉である。
  3節「牛を殺してささげ、人を打ち倒す者、羊をいけにえとし、犬の首を折る者、穀物をささげ、豚の血をささげる者、乳香を記念の献げ物とし、偶像をたたえる者、これらの者が自分たちの道を選び、その魂は忌むべき偶像を喜ぶように」。偶像礼拝は徹底して排除される。神は彼らを見放し、叫んでも聞かれない(4節)。
  5節「御言葉におののく人々よ、主の御言葉を聞け。あなたたちの兄弟、あなたたちを憎む者、わたしの名のゆえに、あなたたちを追い払った者が言う、主が栄光を現されるように、お前たちの喜ぶところを見せてもらおう、と。彼らは、恥を受ける」。ここで神の言葉に心砕かれて聞く人に呼び掛けられる。それは神殿から響く神の声である(6節)。
  7節「産みの苦しみが臨む前に彼女は子を産み、陣痛の起こる前に男の子を産み落とした」。妊婦の出産と乳児の譬。妊婦は新しいエルサレムの都を指す。陣痛が臨むや否や、神は妊婦の胎を開く(8~9節)。乳房に養われる乳児も産婦も喜びと慰めに満たされる(11、13節)。ここに素晴らしい予言の言葉が響く。
  12節「主はこう言われる。見よ、わたしは彼女に向けよう、平和を大河のように国々の栄えを洪水の流れのように。あなたたちは乳房に養われ抱いて運ばれ、膝の上であやされる」。岩波訳「流れのように平安を、あふれる川のように国々の栄光を」。ここは新共同訳が良い。「平和を大河のように」という。「平和」の預言は52章7節、54章10節、61章1節等に示されている。
  13節「母がその子を慰めるように、わたしはあなたたちを慰める。エルサレムであなたたちは慰めを受ける」。この慰め「ナハムー」(comfort)も既に11節で告げられている(40章1節see)。心は喜びで満たされ、主の慰めの手が絶えず差しのべられているからだ(14節)。
  15節「見よ、主は火と共に来られる。主の戦車はつむじ風のように来る。怒りと共に憤りを、叱咤と共に火と炎を送られる」。その時、周囲の国々は、粛清されることになる。異教徒たちの群像礼拝は除かれることになる16~17節)。
  18節「わたしは彼らの業と彼らの謀のゆえに、すべての国、すべての言葉の民を集めるために臨む。彼らは来て、わたしの栄光を見る」。民族と国境を越えた新創造が示される。西の端タルシシから北アフリカ「プルとトバル」、黒海東南「トバル」、ギリシャの「ヤワン」に栄光が伝えられる(19節)。これらの遠い国々から献げ物を携えて人々が集まって来る。彼らもイスラエルの子らと同じ祭司、レビ人の業に就く(20~21節)
  22節「わたしの造る新しい天と新しい地が、わたしの前に永く続くように、あなたたちの子孫とあなたたちの名も永く続くと主は言われる」。これは預言者イザヤを通して告げられる神の終結の言葉となっている。