今日の言葉
遠くの親戚より近くの他人
プロローグ
最近目に付く、「ぼっち族」「独居老人」「引きこもり」などの言葉は、人のつながりが希薄になった世の中を的確に表現しています。また、「血は水よりも濃い」とよく言われますが、死語になりつつあります。「核家族」という家族形態が出現してから、じわりじわりと絆が切れ始めてきました。「保証人不要」の記事がありましたので紹介します。
身寄りない高齢者増入居条件緩和
低所得者らに割安な家賃で提供する公営住宅で、入居の条件としてきた保証人確保の規定を廃止する自治体が相次いでいる。住まいのセ-フティ-ネット(安全網)の最後のとりでといわれながら、保証人確保が壁になって「住宅弱者」が入居できない事例が後を絶たないためだ。
朝日新聞の調べでは、8都県と13政令都市が廃止を決め、今後も増える見通しだ。
公営住宅では入居後に家賃滞納などのなどの問題が生じた場合に備え、ほとんどの自治体が入居条件として1~2人の保証人確保を希望者に義務づけてきた。
国土交通省の2018年の調査によると、公営住宅のある1674自治体のうち366自治体から、希望者が保証人を確保できずに入居を拒まれたり。あきらめたりした事例があったという回答があった。
身寄りのない一人暮らしの高齢者らが増えていることが背景にある。今後いっそう確保が難しくなると予想される。国交省は18年3月、都道府県と政令指定都市に聞きとった。都道府県では福島、埼玉
千葉、東京、神奈川、愛知、岡山、福岡の8都県が、保証人規定廃止するよう昨年中に条例を改正した。いずれの自治体も緊急時の連絡先を求める方針だ。北海道、京都、兵庫、島根、広島の5道府県は議会に廃止の条例案を提出する方向で検討中と回答した。
25府県は保証人規定を存続する方向で検討中と回答した。滞納抑止のために必要というのが必要というのが主な理由だ。だが、そうした中で別の緩和策を模索する自治体もある。人数を2人から1人にする。(長崎)、保証人の「県内在住」の条件を外す(山梨)--などだ。
9県は「議会に提出前」などの理由で非公表だった。
20政令都市では仙台、さいたま、千葉
横浜、川崎、新潟、名古屋、京都、大阪
岡山、広島、北九州、福岡の13市が廃止条例を制定済み。相模原、堺、神戸の3市が同様の条例案を今春に提出予定だ。浜松は存続の方向で検討中。札幌、静岡、熊本の3市は「まだ決まっていない」などとした。
朝日新聞朝刊2020.1.20 (菅原普・神田誠司)
保証人
「保証人」、お世話になったのは、雇用契約書提出の時でした。保証人、二名記載する箇所があり、誰にお願いしようか、一人ひとりの顔を思い浮かべながら思案したことがあります。別に悪いことをお願いするわけではないのですが、何か後ろめたい気持ちが湧いてきましたのを覚えています。銀行員のいとこに頼んだら、「銀行員は他人の保証人を引き受けてはいけない」という規則があり断られました。最終的には、義父と義弟に頭を下げ、記入していただきました。私の友人で、借金の連帯保証人になり、借入したひとが債務不履行に陥ったため、連帯責任を負わされ、行方不明になりました。「他人の借金の保証人は禁止」と親の遺言でもあり、身近なひとの被害を目の当たりにして生きていくうえでの教訓としています。
結びの文
少子高齢化社会に突入し、身寄りのない人たちが雨後の筍のように出現、私もその一員になる可能性があります。高齢者を支えてくれる生産者人口が年々減少、自分で踏ん張り倒れないようにしなければならないと肝に銘じています。義理人情が廃れ、「保証人」を探すのに苦労する時代、他人事ではありません。