飲食店が自粛で廃業しようが、テナントが撤退しようが、臨時雇用のパートアルバイトが解雇され、生活できなかろうが、構わないのですね。医療現場が疲弊し、緊急の手術が受けられず救急患者も手当てを受けられなくても、コロナ感染して重症化でも自宅療養を強いられてもいいのですね。日本各地でイベントが中止になり、興行が出来ず、デパートや観光地にも人が途絶えるようになっても。国民が何人死んでも何人後遺症で苦しんでも、それでもオリンピックを開催するのですか?
菅さんは、オリンピック開催は決定事項で、その決定権はIOCにあると明言しています。自分には決定権がないと。オリンピック大臣は東京都が考えると言いました。IOCは、どんな状態だろうが開催すれば金になるので、日本がやると言う以上は支持します。バイデンさんは菅さんのコロナ対策を「努力している」と評価する一方で「科学的に判断されなければならない。」と述べています。海外の専門家は日本の医学の専門家機関で判断されるべきと発表しました。
だーれもYESやNOを言わないのです。どのような結果を招こうが決して自分は責任を取らないという強い意思表明(責任回避)なのです。政府与党は「完全なコロナ対策を敷き、海外の関係者には完ぺきな防疫対策をとる」と明言しましたが、いままで、この1年2か月どこでどんな完ぺきな対策がありましたか?
クルーズ船で感染者をばら撒き、空港で中国人を素通りさせ、変異株が報告されても海外からの渡航者を阻もうとしませんでした。発熱外来も病院船も、軽症者専門施設も作らず、医療体制の立て直しは自治体任せ。PCR検査拡充はついに果たせぬまま、変異株の検査も出来ていません。ワクチンはちっとも入ってこず、やっと始まっても半年以上かかります。接種が進まぬ理由が場所が取れない、注射する人がいない、問診に時間がかかると言い訳ばかり。いつかワクチン接種することは100%確実だったのに、1年近く準備期間がありました。問診はかかりつけ医で済ませておけば問診済証を提出するだけなのに。
4/25時点で医療関係者以外の接種者(つまり高齢者)はまだわずか75千人、一日数千件しか打ってないのですよ。
「仮定の質問には答えられない」これが、菅政権の、いや自民党政権の常套句であり、この政党が持つもっともいかがわしい体質の象徴です。緊急事態宣言中の開催になったらという質問に組織委員会の 武藤事務総長は「仮定のご質問への回答は控える 、と言いました。
責任ある立場の人たち、指導者は常に「もしも」「仮に」などあらゆる事態を想定して政策を立案し、対策を立てて準備を行うことが前提になるのですよ。例えば海外から要人が来るとして、「もし暴漢が襲ったら」、の質問に仮定の質問には答えないとしたら、あるいは具体的なことを言わず完ぺきに対策してます、と答えて信用しますか?。
コロナの感染者の波はおおよそ3か月周期になっています。第3波が落ち着いたのが2月初め、しばらく沈静化したものが4月に入って、間を置かず増加し実質第4波となりました。ワタシの見立てでは感染力が格段に強い変異種であることと緊急対策宣言に慣れっこになった人たちの緩みから見て、残念ながら今回はさらに高く急速な感染爆発に広がっていくように思います。ピークが高い分収束するまでの日数は間違いなく延びます。楽観的に6月で落ち着いたとしても、また7,8月には第5波が来るのです。その頃ワクチン接種済みの国民はおそらく2割にも達していないのではないでしょうか。
これに、いまだ感染者が広がっている世界各国が選手の選考を行おう、早く現地に入って調製しようと思いますかね?インドやフィリッピン、ブラジルなどはまだコロナ真っ盛り、アフリカなどはさらに悲惨で、オリンピックどころでななかろうと思います。
あろうことか、わが国では「遊園地やゴルフ練習場」は無観客でなどと、とち狂ったことを言い出しました。ディズニーランドに無観客???意味が分からん。選手には毎日PCR検査を行うんだそうです。医療がひっ迫しているというのに500人の看護士をオリンピックのために要請したとか。
国民の7,8割が「中止」でいいよ、国民の生活や命を守ってくれーと悲痛な気持ちでいるのですが、それでも、IOCが決めたことなので、としらを切るおつもりか?。オリンピックで感染爆発しても、死者が増えても、菅さんは自分決めたことじゃないので知らぬ顔でしょう。あらゆる手段で感染を抑え込むとは口ばかり、「腹を切る」覚悟もないようです。