昨夜、九州に住む友人(高校時代同級生の女性)から篆刻印(落款用の印)のオーダーがありました。既に初段の時に作った印があるのに、3㎝角という異例の大きい印三本(三顆印) の要望でした。今が何段なのかは存じませんが、相当昔の作と同じ内容というのが不審なので、LINEにて真意を確認する返信をいたしました。
実は、この2週間前に、50年も前の同じく同級生から「蔵書印」を彫って欲しいとの連絡が来ています。彼にはひと月以上前に、目的は不明ながら姓名印を彫ってくれと唐突に依頼があったのです。彼が書道をやっているとは聞いたことも無いのですが、意図があってワタシの印を欲しいと言ってきたのでしょう。そこで、ちょっと見た目のいい高そうな印材を使ったら、これが脆くて途中で本来文字の線として残すべきところが弾けて消えるということが2回続いたのです。3回目の印は自分で納得できず、ついに4回目にしてようやくまともな印が彫れたのでした。
彼からはこちらが恥ずかしくなるような、丁重でやや過剰と思えるほどの賛辞、お礼の言葉を頂戴しました。頂いた制作料は3,500円(笑)。ただでもいいよ、実費だけ貰えればと公言してきたので別に構わないのですが、4本彫った労苦はちょっとカバーできなかった感じです。
さらにその1週間後、ある面識も何もない方「聖子さん}から三顆印の依頼がありました。こちらは花と植物の写真を投稿するサイト「Green-Snap」の会員の方からの連絡でした。
ところが、彼らに先駆けてもう一件だいぶ前に篆刻印の依頼が舞い込んでいたのです。「こちらも以前一度落款用の印を作って差し上げた方「ジュネさん」からの、再注文であります。二人の人から再注文が来るということは、先に彫ったものがそれなりに気に入って価値を認めていただいたか、タダ同然だからまた頼んじゃおう、かどちらかでしょうね。
ジュネさんは、どうやら書道教室をやっているらしくお弟子さんの分もまとめて彫ってください、というわけで7本の大量注文であります。依頼内容に不審点があったので確認したところ「セオリー無視でお願いします」と!!。
子供だろうが書道家だろうがやることは同じ、時間と手間には変わりなく手抜きも一切いたしません。一本彫るのにぶっ続けでは出来ませんから大体二日がかりになるのです。
となったところで、只今の受注本数が14本という、ワタシにとっては大量受注となっているのです。そして昨日からGW突入であります。ワタシは年中無休というか定職がない自由生活なので、世の中が休もうが働こうが関係ありません。毎朝5時起きで、ブログをやったり園芸・メダカ飼育を気の向くまま、かつぬかりなくやってきて、その合間に篆刻と印材のオークション出品をしているので、連休中だろうがやることには事欠かないのです。
しかし。この2週間はどうやら篆刻を中心に働く必要がありそうです。何か月も人を待たせるのが嫌なのではなく、やるべきことを出来るのに先送りにするという無責任な感覚が嫌いなのです。なんとなく借金があるような気持になってしまうのです。
なので、本日から①蔵書印 ②ジュネさんの7本 ③聖子さん3本 ④九州の三顆印の順に制作にかかろうと思います。
最初は石を選ぶ→彫り易い見た目の良い石の中から角印のサイズが合うものを見つける →オーダーの内容に沿って「印稿」を書く →印面を磨き上げて印稿を裏表逆に写す →彫り始める・・・といったプロセスになります。今日はとりあえず石選びに専念したいと思います。
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