約1年ぶりに篆刻のオーダーが入りました。篆刻とは、書(画)作品の署名欄などに押印する印のことで、これを彫ることを指します。その素材は概ね柔らかさのある石で、これを頑丈な鉄の柄で、丈夫な刃先がついた彫刻刀のようなもので削り、彫るのです。↓こんなものです。
彫る場合は篆刻専用台があって、これを使うときっちり固定でき、くるくる回す事も出来ます。無くても印は彫れますが、机に傷が入るし手指の怪我の心配もありますね。
さて、病んだせいもあって久しぶり(1年くらい)の篆刻であります。
今回は、以前彫って差し上げた方々で構成されるグループlineのメンバーからの要望でした。彼の友人(後輩)が結婚することになって、お祝いに奥方とペアの印をプレゼントしたいので、有料でペアで彫ってください、との希望でした。
ブランクがあっていささか心配もありましたが、このままでは腕がなまるのでお受けしました。在庫の中から、紐(持ち手側の上部にある飾り彫)のある青田石ぽい印材を取り出して彫りはじめたのはいいのですが、石がやたらと硬く、刀が引っかかるのです。差し込んだ刃先を持ち上げると、表面にある部分が剥がれてしまうのです。せっかく下書き通りに彫っていてもあちこち線が崩れてしまいました。これです↓
なんとか二つ彫りましたがワタシからしたら、全くの不合格、これでは喜ばれませんね。
今までもお金は払いますと言われても、他の方にも実費程度(石代と送料・箱代)しか頂いていません。しかしながら、ちゃんと満足できる篆刻に仕上がらないと、例え無料でも人に提供する気にはなりませんね。
そこで、石を変えて彫りなおすことにしました。基本的な下書きは出来ているので彫りなおすのはいいとして、彫り易い柔らかい石だといいのですが。