植物園「 槐松亭 」

バラと蘭とその他もろもろの植物に囲まれ、メダカと野鳥と甲斐犬すみれと暮らす

日本・中国・韓国 国益三題

2023年01月14日 | 時事
先日「国益」のことをちょっと書きました。ネットでは、その定義は政権を握っている団体(政府)が対外的な交渉や関係を形成する時に優先する利益ということです。しかし、もっと大きく括れば、領土の保全・国民一人一人の幸福・国内の産業など、総合的に国体維持発展にためになるか否かを考える、ことが国の利益と考えるべきではなかろうか、と思います。

昨日、日銀が方が連日5兆円規模の国債を買ったことが報道されています。国内外で金利上昇の圧力や観測が増しているので、超低金利の長期国債が利益が出るうちに売られるのです。また、将来懸念される金利高で国債保有による含み損が生じるのを回避していると考えていいのです。これを放置すると買い手がつかないので、たたき売りが出て来るのを恐れ日銀が買い支えているのです。

ある意味マーケットを操作していることになります。これが国益に合致するかと言うと、国が低利で国債発行を増やし続けるリスクが増大し、いずれディフォルト(債務不履行)の憂き目をみることになりかねません。国内だけ0金利に誘導していて、海外主要国は物価・インフレ対策に金利を引き上げているから、その格差はどんどん広がります。すると、利回りが高く、債権の安全性が高い海外の金融資産にお金が流出していきます。投資家が国債を買わないので、日銀が一人引き受け続けることになるのです。これを「蛸は身を食う」、エサが無くなって腹を空かせたタコが自分の足を食べるような有様になるのです。

いつまでも安易に国債発行で、借金を増やしながらバラマキ・無駄遣いをしていると日本の「円」は信頼を失い、国内はハイパーインフレや経済混乱を引き起こす心配が増していくので、無制限発行、という財政規律の破綻を改めるべきなのです。今の日銀の姿勢は「国益」を損ねる自民党政治の片棒を担いでいるようにしか見えません。

実際はタコはそんな馬鹿なことをしません。タコに失礼で、俗説であります。

海外に目を移すと未曽有の感染爆発の中国であります。習近平さんは、中国がコロナに勝ったので、ゼロコロナはお終い!と宣言し、真逆のオールフリーにしました。もともと公衆道徳や衛生観念が乏しい国民性ですから、中国の国民は一気に解き放たれ、マスクも消毒も無し、行動制限も無しになった途端感染者が猛烈な勢いで増えたのです。中国製ワクチンが効き目が無いことが露呈し、検査もしない代わりに感染者や死亡者もカウントしないので、誰も中国内の感染者数を把握できなくなったようです。

著名人が次々に亡くなったり、火葬場に順番待ちの車で埋め尽くされたり、医療破壊、頭痛薬・感冒薬などが薬局から消えたりしているのも、想像をはるかに超える感染者がいることを証明しているのですが、中国政府の公式発表では、数千人単位の新規感染者に数人の死者が出ている、くらいしか出てきません。

そして、春節を迎えて大移動が始まったのを懸念した日本をはじめとした「中国人入国」に対する「水際対策」コロナの防疫体制強化が始まりました。すると、中国は、じゃあ「日本からの中国への渡航にはビザを出さない」と通告しました。中国に渡る観光客・ビジネスマン・海外留学生・家族間の交流などを拒否して、中国に何の得があるのか?国益にかなうと言えましょうか。

中国では、コロナを克服したので、感染者が殆どいないのに中国人を自由に入れないのはおかしい、という論法で、あくまで習近平さんのメンツにこだわっているのです。これでは国益を損ねているとしか思えません。

一方お隣の韓国は、いまだに「徴用工問題」が火種になっているようです。戦後、1965年、日本が韓国に対して、賠償金5億ドルを払うから、以降はいかなる請求権もなしにしようと締結した「日韓請求権並びに経済協力協定」が 問題を解決したはずなのに、韓国はこれで国の復興・経済発展を果たしながら、個々の韓国人の補償はおざなりにしたのです。それで個別の訴訟が起きた結果、大法院が新日鉄住金に対し、徴用工への損害賠償を命じる判決を出し、その資産差し押さえに発展したのです。

ここで「慰安婦問題」は割愛しますが、歴代大統領は国民の耳目を「反日」へ集め、支持率を上げようとしてきました。文在寅前大統領などはその典型で、慰安婦問題・徴用工問題をすべて日本が悪い、と国内の世論を誘導した結果、戦後最悪といわれるほど日韓関係が悪化したのです。

そして新たに大統領になった尹錫悦(ユン・ソギョル )さんは、それまでの「国民挙げての反日姿勢」を改め、日韓関係の修復改善に取り組むようになりました。徴用工の補償も、日本企業の資産を売却するのではなく、韓国政府に属する資産を充てることを検討しているようです。

これは、一見「日本に屈服した」とか、日本企業からとれる補償金を韓国政府が立て替えたと国益に反する行為と思うかもしれません。しかし、くだらぬメンツにとらわれるより日本と韓国が隣国として仲良くした方が、双方にとって経済的にも国防上も安心で得策であることは火を見るより明らかです。ユンさんが韓国で名を残すような名大統領になって欲しいと願うばかりです。




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2 コメント

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槐松亭ご主人様おはようございます (けんすけ)
2023-01-14 08:58:24
とても冷静な物の見方に関心している次第です
僕も日韓関係の修復と良好な関係を求めているのですが
やはりアジアの国で上手くお付き合い出来れば日本の安全や経済にとってもとても有益と思っておりましたのでね
とても有益なこの記事を皆様にご紹介させて頂いても宜しいでしょうか
是非とも宜しくお願い致します。
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おはようございます (槐松亭主人)
2023-01-14 09:52:51
いつも丁寧なコメントありがとうございます。
ワタシの拙いブログでも、公開しているものなので、コピペでもなんでもお好きになさってください。

それより、12年以上もブログを継続していらっしゃることに敬服している次第です。体調にはくれぐれも気を付けていただき、ますます健筆を奮って頂きますよう!!
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