植物園「 槐松亭 」

バラと蘭とその他もろもろの植物に囲まれ、野鳥と甲斐犬すみれと暮らす

今朝は三本彫りました💛

2021年11月27日 | 篆刻
ここ数日ヤボ用やら雑事やらで書道と篆刻の時間が取れませんでした。
今日から、また寸暇を惜しんで篆刻印にかかろうと思います。

 印を作るには、まず「何を彫るか」が最初になります。摸刻ならばそこに印影があるので、そのまま印面に逆文字を書きホリホリするだけですが、人様に頼まれると考えることが増えます。相手の方の印の用途、書道の腕前(笑)、希望からどんな人柄かも考慮に入れるというまことに奇特な人間なのです。

 通常、篆刻家さんは自分の得意な書体や体裁で彫ろうとしますし、いちいち相手の要望や彫り方に口出しはさせません。自身の作意が鈍ると言いますな。それで、依頼者さんも心得たもので「先生におまかせします」と言うのです(あくまで想像ですが)。

 実際、篆刻家見習のワタシですら、こんなのがいい、とかもう少しこうして、とか言われたら「えぇい!うっさいわ」と思うでしょうね。しかし、わざわざ自分に頼んでくれて、用途が明らかで日常的に愛用してもらえるなら、ご本人の気に入るように彫るというのもプロの業だろうとも思います。
 ワタシは、一年前プロの方に大枚はたいて姓名印を作って貰いましたが、今の段階では実は気に入っておりません。一度しか落款に使っていないのです。立派な彫のもので、そこは文句をつけようが無いのです。それは、自分の力量が上がったからではなく、ワタシがいいなぁ、捺したい印だなぁ、と思わないだけなのです。それは、自分の美意識やら好みに起因するのかもしれません。

 彫る内容や文字数、陰刻・陽刻などが決まれば、いくつもの字典を参考にして印稿を作成します。いわば設計図であります。ワタシはここはかなり端折って頭の中で大体想像出来たら、それに相応しい印材を探します。印材だけは2.3千本あるのでどんな需要にも対応できます。刻印済みならばサンドペーパーなどで一旦潰して平らにし、奇麗に磨きをかけます。印面がでこぼこなく均一な面になったら、いきなり鉛筆で下書きします。逆さ文字で、だいたいのレイアウトができればよし、次に細いサインペンで彫るべき文字をなぞるのです。あとは彫りながら考え修正するというテキトーな作業になりますが、案外これが悪くないのです。時間短縮出来るし、彫るさ中にアイデアも生まれ、少しずつ修正しながら字を刻めればいいのです。

 ということを考えつつ、ここで6人の書道愛好家さんに印を彫る約束をしました。摸刻に少し飽きてきて「創作」や実用印の作成を彫りたいと思ったのです。この一年間夢中で彫ってきて、自分の腕前を客観的に測るため、書道を嗜む人の感想を聞きたいという目的でもあります。勿論お金は頂かない、欲しい印を数個彫る、相手の方の書道歴などを参考にしてあとは自分で好きに彫ります。
 

今朝はとりあえず3本、槐松亭方式は早いのが取り柄であります。まぁこんなものでしょう。篆刻ばかりをやってると運動不足になります。マイガーデンには草が生い茂り、メダカの水交換も手抜きになっています。何より、そろそろ非耐寒性の植物たちの格納場所を確保し、順次屋内に運ばなければなりません。
最期は目の保養(笑)
 
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