おすすめの女性ボーカル ヨーロッパ編
久しぶりに、音楽ネタをアップします。題して、「おすすめの女性シンガー ヨーロッパ編」。みなさまのお気に召す女性シンガーがひとりでもいれば幸いです。
一人目は、日本でもその名を知られたサラ・ブライトマン。彼女はイギリスのハートフォードシャー州バーカムステッド出身で、三八年間のキャリアを持つ歌手です。一九八〇年代の後半から、世界の歌姫の名をほしいままにしてきた人でもあります。彼女の名声を決定づけたのは、ミュージカル『オペラ座の怪人』(1986)のクリスティーヌ・ダーエ役での成功ではないかと思われます。以下は、そのなかの白眉『The Phantom of the Opera』です。彼女の全盛期の姿が記録されている貴重な動画です。この場面の只中において、彼女は世界の頂点を極めたのではないかと思われます。
The Phantom of the Opera HD
彼女の音楽は、一般に「クラシカル・クロスオーバー」と呼ばれているようです。しかし彼女は、その呼称をあまり歓迎していないようです。″自分はただひたすらに自分の感覚に対して正直に音楽をやっているだけであって、それを人さまがあれこれとジャンル分けをするのは勝手だが、自分としてはそれを受け入れるつもりはない″と言いたいのでしょう。
『The Phantom of the Opera』といえば、どうしても紹介しておきたいヘビィメタル・バンドがあります。それは、フィンランドのナイト・ウィッシュです。バンド・メンバーのターヤ・トゥルネンは、バンドが結成された一九九六年から二〇〇五年まで、同バンドのリード・ボーカルでした。彼女の、本式の声楽に基づくオペラティックなボーカルを武器に、同バンドは、ヨーロッパや南アメリカを中心として世界的な人気を博しました。そんな彼らの『The Phantom of the Opera』を聴いてみてください。
いかがでしょうか。サラ・ブライトマンとはまた違った意味での卓越したドラマ性がありますね。原曲には、確かにヘビィ・メタルとの親和性が秘められているのですが、ナイト・ウィッシュ(というより、おそらくはバンド・リーダーのマルコ・ヒエタラ)は、それに敏感に反応し、ここで自分たちの魅力を最大限に引き出すパーフォーマンスを繰り広げています。ひとことだけ付け加えれば、ナイト・ウィッシュのファンは、同バンドをヘビメタ・バンドと呼ばれると、おそらく肩をすくめることでしょう。「ナイト・ウィッシュは、オペラティック・メタル・バンドでしょうが。百歩譲って、シンフォニック・メタルとかゴシック・メタルとか言うのなら、まだ分かるけどさ」と言われてしまうはずです。
三人目の女性シンガーにご登場願います。オランダ出身のシモーネ・シモンズです。彼女は、十五歳の時(一九九九年)にナイト・ウィッシュのアルバム『オーシャンボーン』に衝撃を受けて、声楽を学ぶようになります。ターヤ・トゥルネンのオペラティック・ボーカルの影響が大きいわけです。そうして一九歳(二〇〇三)で、無名の新人ボーカリストとしてエピカに参加します。エピカは、オランダのシンフォニック・メタルの大御所バンドのアフター・フォーエバーを二〇〇二年四月に脱退したギタリストでボーカリストのマーク・ヤンセンが設立したバンド。ご紹介するのは、ファースト・アルバム『ザ・ファントム・アゴニー』所収の「クライ・フォー・ザ・ムーン」です。弦楽器と声楽を巧みに取り込んだ最高水準の音楽が展開されます。
ご覧のとおり、シモーネは赤毛がチャーミングな美貌の持ち主です。肌が目を打つほどに白いですね。また、六ヶ国語を自由自在に操る才媛でもあります。残念ながら(?)、彼女はマーク・ヤンセンの恋人です。こんな魅力的な女性をバンド・リーダーが放っておくはずがありませんものね。その甲斐あってか、ふたりの息はぴったりと合っています。正直に言えば、私は目下エピカにハマっております。彼らの音楽は、ヨーロッパ系のロック好きが行き着くところのうち少なくともひとつを指し示しているのではないでしょうか。シモーネのボーカルには、どこか、教会音楽系の少年の声のようなイノセントな響きがあって、それが不思議な魅力になっているような気がします。
てんこ盛りのような濃い目の曲が続いたので、みなさま、いささか食傷気味なのではないでしょうか。最後は、お口直しに、さわやかな涼風のような女性シンガーをご紹介しましょう。ご登場願うのは、ヘイリー・ウェステンラ。彼女は、ニュージーランド・クライストチャーチ出身の歌手です。何世代前かは知りませんが、アイルランド移民のルーツを持っているとの由。Jポップをたくさんカヴァーしているので、その名をご存知の方も少なからずいらっしゃるのかもしれません。彼女に対しては、うら若き乙女の印象しかなかったのですが、一九八七年生まれですから、考えてみれば今年で三六、七歳になるわけです。光陰矢のごとしとはこのことです。曲は、みなさまご存知の「スカボロフェア」。その妖精のような姿と清らかな歌声とをご堪能あれ。
Scarborough Fair - Celtic Woman live performance HD
久しぶりに、音楽ネタをアップします。題して、「おすすめの女性シンガー ヨーロッパ編」。みなさまのお気に召す女性シンガーがひとりでもいれば幸いです。
一人目は、日本でもその名を知られたサラ・ブライトマン。彼女はイギリスのハートフォードシャー州バーカムステッド出身で、三八年間のキャリアを持つ歌手です。一九八〇年代の後半から、世界の歌姫の名をほしいままにしてきた人でもあります。彼女の名声を決定づけたのは、ミュージカル『オペラ座の怪人』(1986)のクリスティーヌ・ダーエ役での成功ではないかと思われます。以下は、そのなかの白眉『The Phantom of the Opera』です。彼女の全盛期の姿が記録されている貴重な動画です。この場面の只中において、彼女は世界の頂点を極めたのではないかと思われます。
The Phantom of the Opera HD
彼女の音楽は、一般に「クラシカル・クロスオーバー」と呼ばれているようです。しかし彼女は、その呼称をあまり歓迎していないようです。″自分はただひたすらに自分の感覚に対して正直に音楽をやっているだけであって、それを人さまがあれこれとジャンル分けをするのは勝手だが、自分としてはそれを受け入れるつもりはない″と言いたいのでしょう。
『The Phantom of the Opera』といえば、どうしても紹介しておきたいヘビィメタル・バンドがあります。それは、フィンランドのナイト・ウィッシュです。バンド・メンバーのターヤ・トゥルネンは、バンドが結成された一九九六年から二〇〇五年まで、同バンドのリード・ボーカルでした。彼女の、本式の声楽に基づくオペラティックなボーカルを武器に、同バンドは、ヨーロッパや南アメリカを中心として世界的な人気を博しました。そんな彼らの『The Phantom of the Opera』を聴いてみてください。
いかがでしょうか。サラ・ブライトマンとはまた違った意味での卓越したドラマ性がありますね。原曲には、確かにヘビィ・メタルとの親和性が秘められているのですが、ナイト・ウィッシュ(というより、おそらくはバンド・リーダーのマルコ・ヒエタラ)は、それに敏感に反応し、ここで自分たちの魅力を最大限に引き出すパーフォーマンスを繰り広げています。ひとことだけ付け加えれば、ナイト・ウィッシュのファンは、同バンドをヘビメタ・バンドと呼ばれると、おそらく肩をすくめることでしょう。「ナイト・ウィッシュは、オペラティック・メタル・バンドでしょうが。百歩譲って、シンフォニック・メタルとかゴシック・メタルとか言うのなら、まだ分かるけどさ」と言われてしまうはずです。
三人目の女性シンガーにご登場願います。オランダ出身のシモーネ・シモンズです。彼女は、十五歳の時(一九九九年)にナイト・ウィッシュのアルバム『オーシャンボーン』に衝撃を受けて、声楽を学ぶようになります。ターヤ・トゥルネンのオペラティック・ボーカルの影響が大きいわけです。そうして一九歳(二〇〇三)で、無名の新人ボーカリストとしてエピカに参加します。エピカは、オランダのシンフォニック・メタルの大御所バンドのアフター・フォーエバーを二〇〇二年四月に脱退したギタリストでボーカリストのマーク・ヤンセンが設立したバンド。ご紹介するのは、ファースト・アルバム『ザ・ファントム・アゴニー』所収の「クライ・フォー・ザ・ムーン」です。弦楽器と声楽を巧みに取り込んだ最高水準の音楽が展開されます。
ご覧のとおり、シモーネは赤毛がチャーミングな美貌の持ち主です。肌が目を打つほどに白いですね。また、六ヶ国語を自由自在に操る才媛でもあります。残念ながら(?)、彼女はマーク・ヤンセンの恋人です。こんな魅力的な女性をバンド・リーダーが放っておくはずがありませんものね。その甲斐あってか、ふたりの息はぴったりと合っています。正直に言えば、私は目下エピカにハマっております。彼らの音楽は、ヨーロッパ系のロック好きが行き着くところのうち少なくともひとつを指し示しているのではないでしょうか。シモーネのボーカルには、どこか、教会音楽系の少年の声のようなイノセントな響きがあって、それが不思議な魅力になっているような気がします。
てんこ盛りのような濃い目の曲が続いたので、みなさま、いささか食傷気味なのではないでしょうか。最後は、お口直しに、さわやかな涼風のような女性シンガーをご紹介しましょう。ご登場願うのは、ヘイリー・ウェステンラ。彼女は、ニュージーランド・クライストチャーチ出身の歌手です。何世代前かは知りませんが、アイルランド移民のルーツを持っているとの由。Jポップをたくさんカヴァーしているので、その名をご存知の方も少なからずいらっしゃるのかもしれません。彼女に対しては、うら若き乙女の印象しかなかったのですが、一九八七年生まれですから、考えてみれば今年で三六、七歳になるわけです。光陰矢のごとしとはこのことです。曲は、みなさまご存知の「スカボロフェア」。その妖精のような姿と清らかな歌声とをご堪能あれ。
Scarborough Fair - Celtic Woman live performance HD