美津島明編集「直言の宴」

政治・経済・思想・文化全般をカヴァーした言論を展開します。

松浦亜弥のカバー曲は絶品である

2014年09月30日 10時57分12秒 | 音楽
松浦亜弥といえば、あだ名はあやや、そうしてちょっと歌の上手なアイドル、くらいの認識しかありませんでした。

ところが実は、めったにいないほどのとても上手な歌い手であることに最近気づきました。彼女は、それぞれの曲が表現しようとしている核心をきっちりと的確につかんで、それを丁寧に心をこめて不思議な透明感のある繊細な歌声で聴き手の心にじかに伝える技を体得している歌手です。おそらく、勘がよくて頭の回転が速いのでしょう。それが褒めすぎかどうかは、カバー曲を三つアップしておきますので、よろしければご自身でご判断願います。

彼女は二〇〇〇年に一四歳で芸能界に入りました。若いころから落ち着いた立ち居振る舞いをする女性だったのですが、いまや、しっとりとした情感をたたえた素敵な雰囲気を身につけ、ひとりの女性としてもじゅうぶんに成長した姿を私たちに見せてくれます。自分の好きな道をひたむきに歩んできた結果なのでしょう。良い恋愛をしてきたというのもあるような気がします。

いま彼女は二八歳です。一二年間の交際の後、w-inds.のボーカル・橘慶太と去年結婚し、年末には出産する予定です。彼女は二〇〇七年に子宮内膜症を患いいまは芸能活動を控えているそうですが、その病気の最善の治療法が妊娠ということなので、私たちが、彼女の完全復活した姿を見る日も近いかもしれません。

ネットで調べているうちに分かったのですが、スガシカオや竹内まりあは、実力派歌手としての彼女の今後に期待を寄せる心からのエールを送っています。また、ヘヴィメタル界のマーティ・フリードマンは、「笑っていいとも」に出演したとき、いまもっとも歌の上手な若手歌手として彼女の名を挙げています。私自身も、彼女の今後の活躍に期待をこめて注目したいと思っています。


では以下に、動画を三つご紹介します。

一曲目は、さだまさしの「道化師のソネット」です。「笑ってよきみのために 笑ってよぼくのために」のリフレインが、微妙に表情を変えながら、聴き手の心にしみこんできます。

道化師のソネット 松浦亜弥


二曲目は、荒井由実の「ひこうき雲」。嫌味がなくて飽きのこない「ひこうき雲」です。そういえば、マイクにまったくエコーをかけずに歌っていますね。歌唱力がはっきりと分かる条件をあえて選んだのでしょうか。″なんなら、アカペラでもかまわないわよ″という自信のほどがうかがえます。

松浦亜弥 『ひこうき雲』 クリスマス・ナイト2013


最後は、森山良子の「さとうきび畑」です。生ギターだけの伴奏で、単調な旋律の同曲の世界に聴き手を八分間引き込み続けるのは大変なことです。歌い手としての自分によほどの自信がなければ、失敗を恐れあえてチャレンジしようとはしないでしょう。この、そういう意味での難曲を、彼女は見事に歌い切っています。鈴のようにヴィブラートする声の魅力がよく引き出されている、という印象です。

松浦亜弥 - さとうきび畑
コメント (6)
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