美津島明編集「直言の宴」

政治・経済・思想・文化全般をカヴァーした言論を展開します。

藤井厳喜の四月・白熱教室のご報告(その2)(2019.04.14実施) 於.品川イーストワンタワー

2019年05月10日 18時17分43秒 | 世界情勢


●GAFAについて。FacebookやAppleは、反トランプの親中派企業である。AppleとFacebookとYoutubeは、昨年の8月に草の根保守の政治評論家アレックス・ジョーンズ氏が運営するウェブサイト「インフォ・ウォーズ」が投稿したコンテンツの一部を削除した。Twitterは、同月にジョーンズ氏のアカウントを一時的に停止した。日本でも、保守系のYouTubeやTwitterが一時的に停止されたり削除されたりしているのは周知の事実である。その点、Googleがペンタゴンとの協力関係を止め、チャイナと組もうとしていたのをトランプ大統領が力わざでひっくり返したのは特筆されてしかるべき。

*CFR4月号において、GAFA関連で藤井氏から以下のようなお話があったので、追加します。

4月19日、アマゾンはチャイナ国内のEコマース事業を7月に閉鎖すると発表した。アマゾンは2004年以来15年間、チャイナ市場の開拓に注力してきたが、2018年のEコマースシェアは0.8%に過ぎなかった。アリババや京東などチャイナのEコマース大手とも競争に敗れ、チャイナ市場からの撤退を決めることになった。ただし、アマゾン・クラウドやkindle事業は継続するという。

これは、米中経済戦争の激化・尖鋭化に起因するアメリカ大手企業のチャイナ市場からの撤退という動向を象徴する出来事としてとらえることができよう。

●ディープ・ステイトについて。アメリカのディープ・ステイトは、米国司法省やその管轄下のCIA、大統領直轄のFBIを核とし、民主党リベラル派やメイン・ストリーム・メディア(MSM)などとの横の連携の総体を指す。中共は、米国弱体化のためにそれを支援する、という関係になっている。

ヨーロッパの場合、イギリスの旧植民地利権派(言い換えればタックスヘイブン護持派)が典型例。

日本の場合、財務省や外務省や文科省のなかの本質的に現状維持派の国家官僚が核になっている。情報リークによって保守系政治家の足をひっぱることがその手法の典型例。中共は、実権を握る課長補佐クラスをあの手この手で籠絡しようとする。

●アメリカ司法省は、4月18日モラー特別検察官の捜査レポートを全面公開した。端的に言えば、トランプ大統領をめぐる「ロシア・ゲート疑惑」がディープ・ステイトを核とする民主党クリントン・サイドのやらせであり、完全なねつ造・でっちあげであることが明らかになった。今後は、トランプ陣営からの大逆襲が開始されることになるだろう。

その点注目されるのは、捜査の手がヒラリー・クリントン前国務長官やさらにはオバマ前大統領にまで及ぶかどうかである。

ヒラリー・クリントンは前国務長官時代に、トップ・シークレットの機密情報を私的サーバーで管理していた(自分の露骨な金儲け的売国政治手法を隠蔽するためである)。そのセキュリティは十分ではなく、世界中のハッカーにアメリカの機密情報が盗まれ放題だった。機密情報とは、例えば、スパイの実名・住所・電話番号、各国に派遣したアメリカ大使や公司の行動日程などである。

また、それらの情報を含むヒラリーのメールは、彼女の私的サーバーから在米チャイナ企業に自動的に送信されていたことも判明している。この明白な法令違反が暴露されたとき、ヒラリーはメール記録を抹消し、サーバーやパソコンを完全に破壊し、あらゆる証拠を隠滅しようとした。しかし大量のeメール記録がオバマ大統領在任中のホワイトハウス内に存在し、FBI幹部はその事実を把握していたのである。ヒラリーの大罪はほかにもまだまだあるが、いずれにしても、今後の捜査の動向が注視される。

●トランプ再選の可能性は現状では6、7割といったところ。好景気が続くかどうかが最大のポイント。失業率4%が好景気の目安。トランプの支持者は、草の根保守・アメリカのドメスティックな企業(エクソンモービルもぎりぎり支持者に入る)・化石燃料エネルギー産業・勤労大衆。民主党は、中道リベラルしかトランプに対抗できないのが現状。それでは弱い。ベト・オルークがダーク・ホースと言われているが、どうか。

●今後の北朝鮮の動向について。トランプ大統領は、「北朝鮮との交渉は、時間をじっくりとかけた方がよい」と判断している。まずとにかくチャイナを叩き、チャイナと北とのパイプを細らせる。それを通じて、北のさらなる疲弊を招くようにする。やがて金正恩が音をあげる。そういうシナリオであると思われる。

*ほかにもいろいろとありましたが、今回はこのあたりで終わります。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 伯父・阿比留教(あつし)の... | トップ | 第3回世界政経情報交換会 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

世界情勢」カテゴリの最新記事