美津島明編集「直言の宴」

政治・経済・思想・文化全般をカヴァーした言論を展開します。

伯父・阿比留教(あつし)の逝去を扱った新聞記事を紹介します(美津島明)

2019年05月06日 16時43分04秒 | ブログ主人より


当方、五月一日から三日まで、生まれ故郷の対馬に行っておりました。母方の伯父・阿比留教が先月の二一日に逝去したので、足の不自由な母に代わって、敦伯父が住む対馬に行き、線香をあげるためです。対馬は、教伯父の生まれ故郷であり、長らく住んできた所でもあります。

文才があり(若いころ、小説仕立ての投稿がラジオでよく取り上げられていました)、写真の腕も確かで(写真館を営んでおりました)、また、無類の話好きでもあり、周りの人たちをその話芸で楽しませるのがとても上手でした。笑顔になんとも言えない愛嬌があり、最期まで周りのみんなに愛され続けました。

以下の記事にもあるとおり、伯父は対馬を愛してやまない人で、NHKや朝日新聞を通じて、対馬を紹介し続けました。

会話中に、聞いたことがないような対馬ネタを次から次に繰り広げ、こちらが瞠目したのは一度や二度ではありません。

伯父には、これといった学歴はありません。しかし、語り部としての独特の才能と被写体を的確にとらえる写真師としての確かな目があり、それが、NHKや朝日新聞に見いだされた、ということなのでしょう。甥として誇りに思います。

以下、朝日新聞の記事を紹介いたします。

***
長崎)契約通信員の阿比留さん 対馬を愛してやまず

長崎総局長・河野武士 2019年5月6日03時00分

対馬の情報を一昨年まで朝日新聞の読者に届けてきた阿比留教(あつし)さんが4月22日、亡くなった。享年91。契約通信員として約30年にわたって、浅茅(あそう)湾の風景、対馬の自然や行事をカメラにおさめるなど、対馬を愛してやまなかった。

 阿比留さんは地元の旧制中学を卒業後、農協職員からサラリーマンに転身。関西の大手ミシンメーカーの営業の仕事をする一方、全日本写真連盟の会員としてニュース写真などに腕を振るった。帰郷後、朝日新聞厳原通信局長と二人三脚で取材に奔走。1990年秋に通信局が閉じられた後は、契約通信員として対馬の情報を発信してきた。民家に車が突っ込み、子どもがあわや下敷きになる事故の写真は本社のコンクールで賞を受けた。浅茅湾の連載などでは詩情あふれる写真が読者を魅了した。

 3年ほど前に脳梗塞(こうそく)を患い足が不自由になったが、出稿の意欲は旺盛だった。ご家族によると、昨夏から体調がすぐれなくなったという。一昨年4月、退任にあたってお会いした時は思い出話が尽きず、生涯現役の心意気も見せてもらった。事務所には、関西にいたころに撮影した当時会社役員の親戚という若い娘さんのモノクロのポートレートがひときわ目をひき、これまで出稿、整理された原稿や写真であふれていた。

 いつも笑顔を絶やさず、奥様の美和子さん(86)について触れると「頭があがりません」とはにかんだ。

 春になると、阿比留さんの自宅裏に流れる川沿いに、満開の桜がトンネルをつくる。長崎に赴任して3年。春といえば対馬の桜を、阿比留さんを思い出す。
(長崎総局長・河野武士)

記事のURLは、https://www.asahi.com/articles/ASM4R5FP3M4RTOLB00N.html?fbclid=IwAR2hZ4cQjbTmw3t9TLKei67yyuy60T4BQ91IWf2shiezgynjWyusTgNb5aIです。こちらには、伯父夫婦の写真が掲載されています。ぜひごらんください。

*大学時代の知人・樫原くんとのFBでのやり取りを載せておきます。

樫原弘志:対馬には毎年行きます。国内からももっと観光客が行って欲しい島です。友人に投資を促しました。でも地元にも起業家がいて頼もしく思いました。伯父さまのご冥福をお祈りします。

美津島明:樫原くん、ハートのあるコメントをどうもありがとうございます。対馬の土地が韓国資本に売られたり、それを大陸中国資本が狙ったり、という安全保障上の憂うべき事態の根本原因は、樫原くんがお察しのとおり、極端な少子高齢化の進行に伴う島内経済の衰退です。だから、おっしゃること、よく分かります。しかし島内の中学校の教頭をしている従弟によれば、事態はすでに手遅れだそうです。国家の抜本的施策よりほかに事態を打開するすべはないものと思われます。

樫原弘志:手遅れとは思いません。沿岸漁師の漁場保全と長期滞在型観光の振興に未来はあると思います。

美津島明:従弟の予想がはずれ、樫原くんの予想が当たることを切に願います。


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