昨年末に続いて今月の六日に、私はまたもやはなわちえさんのライヴを聴きに行ってきました。今回は、ぴょんこバンドという、彼女とは気心の知れた実力派のサポートを受けてのワン(ウー)マン・ライヴでした。場所は、東武スカイツリーラインの西新井駅から徒歩で十数分のカフェ・クレール。知る人ぞ知るライヴ会場のようです。私がここを訪れるのは今回で二度目です。(一度目の来訪記はこちらです。http://blog.goo.ne.jp/mdsdc568/e/a1bc34e28f8acbc1e0af7a0bc2d68305
ぴょんこバンドのメンバーを紹介しておきましょう。ピアノは滝本成吾さん、ベースは関谷友貴さん、パーカッションは川村成史さんです。見た目だけで判断すれば、川村さんがやや年長者のようです。当日はサプライズのバースデイ・ケーキをプレゼントされていました。パートをドラムと言わずにパーカッションとあえて言うのは、川村さんがスティックを使わずに素手で打楽器を叩くからです。ベースの関谷さんは個性的なうねむね旋律を奏で、ピアノの滝本さんは抑制の効いた音色を奏でます。全体としては、スルメイカのような味わい深いパーフォーマンスを展開するバンドです。関谷さんは、そんなに背の高くない面白そうな人です。変なことを言うようですが、私は関谷さんと友人になる自信があります。というのは、私はあまり背が高くない面白そうな人と仲良くなることが多いからです。要するに、彼に対して好印象を抱いた、ということです。
その他にメガニーズがゲスト出演をしました。メガニーズは若手の長唄三味線グループです。リーダーのラビット南谷(本名南谷舞)さんは、ちえさんと東京芸大のクラスメイトだそうで、四年間ちえさんと「無駄なおしゃべり」(ちえさんの弁)をしていたそうです。ちえさんは年越しライヴのとき、今年の目標は「ひとこと多い癖を直すこと」と言っていました。南谷さんとのMCのとき、「無駄なおしゃべり」発言が飛び出して、ちょっと間が空いたのち南谷さんから「無駄なおしゃべりが今では懐かしいのよね」とフォローされていました。おそらくちえさんは「無駄な」ではなく「たわいのない」と言いたかったのでしょう(ちえさん、大丈夫です。みんなそう思っていますから)。南谷さんはテキパキと物事を処理する姉御肌の人なのではないかと思いました。彼女の知人のブログによれば、十種類の料理をごく短時間で魔法のように作ってしまう女性、とのこと。なんとなくですが、タダモノではない人物とお見受けしました。ほかのメンバーは、サトシ・サトシタさん(長唄三味線)、マサコ・マサシタさん(長唄三味線)、石渡大介さん(笛)、小川実加子さん(打物)です。打物とは、いわゆるパーカッションのことです。
話は変わりますが、今回はUさんにお付き合いいただきました。彼と一緒にちえさんライヴを観るのはこれで三度目です。一度目は、昨年の十月二八日(日)の奏楽堂「和」(なごみ)コンサート。二度目は、十一月三日(日)CROSS STREETでの結ライヴ(http://blog.goo.ne.jp/mdsdc568/e/ff41a079b853209626b0168a45a256fd)。以前に申し上げたとおり、私は一人で音楽ライヴに行くのがとても苦手なのです(映画は平気です)。自分は心優しき友人に恵まれて幸せな奴だとつくづく思います。赤ワインをボトルで一本注文し、大きなミックス・ピザを食べながら、ゆったりとした気分でちえさんの演奏を楽しむことができました。Uさんによれば、先日行った奏楽堂は、漱石の小説に出てくるそうです。漱石は、弟子筋の寺田寅彦から西欧クラシック音楽の知識を吹き込まれたとのこと。寺田は当然何回も奏楽堂に足を運んだことでしょう。そう考えると、奏楽堂はなんとしても残したいものだと、われわれは話し合いました。折々の楽しい会話といい、Uさん、ありがとう。
午後七時から八時までのファースト・ステージは、メガニーズの出し物がメインでした。オープニングの「オドリジ」(と聴こえましたが?)にはちえさんが即興で参加しました。演奏が終わったときラビットさんが目を丸くして「ちえちゃん、即興なのにスゴイね」と言っていました。ちえさんの演奏能力の底力を垣間見る瞬間でした。ちえさんは自身のブログで「長唄三味線の曲は本当に久しぶりなので緊張した」と言っています。
ちなみに、ちえさんが黒縁のメガネをかけて登場したのにはビックリ。「ちえさん、近眼だったんだ・・・」 しかし、そういうことではありませんでした。メガニーズの長唄三味線の三人がメガネをかけて演奏するのに合わせてのシャレ、ということだったのです。あまりうまく撮れていませんが、めずらしいので、ちえさんのメガネ姿の写真をアップしておきますね。
二曲目からは、メガニーズのオリジナルが続きました。曲名はつまびらかにしないのですが、二曲目は『古事記』のあの有名な天の岩戸のエピソードをモチーフにした古代世界を彷彿とさせる曲。アメノウズメご登場のときの色気たっぷりの艶のある演奏ぶりはさすがでした。三曲目は、「赤い劇場」という思いっきりアバンギャルドな曲。よくは分かりませんが、なんだかとても実験的な試みをしていたような気がします。四曲目は、あの『妖怪人間ベム』のテーマ曲(面白かったなぁ)。五曲目は「雷の子」。これは組曲になる予定のものの一曲目のようでした。愛知県の民話がモチーフとのことで、雷の神様を救った見返りに夫婦が子宝を授かったのは良かったのですが、首の周りになんと蛇を巻きつけて赤ん坊が生まれてきたのです。その光景をメラニーズは、和楽器だけで目に浮かぶように鮮やかに表現することができていました。ちえさんによれば「こんなところでこんなふうに演奏していますが、彼らは明日の邦楽を背負って立つ人たちです」とのこと。「こんなところ」という言葉に会場のみなさんはちょっとためらいの表情でした。それを言葉にすれば、『「こんなところ」って・・・どうよ、それ』となるでしょうか。ちえさんの言葉を翻訳すれば、「純邦楽とは縁のなさそうな場所で、アバンギャルトな演奏をしていますが、じつは彼らは正統派の邦楽奏者で、将来を嘱望される存在なのです」ということでしょう。戸惑いながらも、みなさんは、そういう意味に受けとめていたはずです。
左から、ラビット南谷さん、小川実加子さん、石渡大介さん、サトシ・サトシタさん
30分のインターバルをはさんでのセカンド・ステージは、ちえさんとぴょんこバンドの共演でした。
一曲目はオハコの「津軽じょんがら節」。これは何度聴いてもぞくぞくします。それに続いて「秋田荷方節」。ちえさんの「秋田荷方節」は、とてもシャープでスリリングです。
それが終わったところで、パーカッションの川村さんが参加しました。で、三曲目は、川村さんとちえさんとの鋭角的で緊張感に満ちた掛け合いが印象的な「遭遇」。これはちえさんの「伝説の」ファースト・アルバム『月のうさぎ』に収録された一曲。ちえさんによれば、この曲で、アレグレッシヴで土俗的なところが魅力の津軽三味線と柔らかい情緒の長唄三味線との融合を図ったとのこと。彼女が津軽三味線奏者であるのにもかかわらず東京芸大の長唄三味線学科で学んだことの意味合いが、これを聴くことでひとつ分かりました。彼女はとても自覚的な表現者なのですね。
演奏が終わったところで、ベースの関谷さんとピアノの滝本さんが加わります。これで、ぴょんこバンドが勢ぞろいしたわけです。で、四曲目は名曲「月のうさぎ」。「遭遇」もそうですが「月のうさぎ」もライヴで聴くのはこれがはじめてです。感慨ひとしおでした。
五曲目は「淀」。淀とはあの、秀吉の妻の淀君のことです。ちえさんはいま、戦国時代の女性シリーズの津軽三味線プロジェクトに取りかかっています。「淀」は、そのシリーズのなかのもうじきリリースされる新曲というわけです。淀君の勝気な性格が、ポップな曲調でうまく表現されていました。
これまでにすでに「NOUHIME-濃姫-」と「GARASHA-伽羅奢」の二曲がリリースされています。私は当然二曲ともにダウン・ロードしています。そのうち「GARASHA-伽羅奢」が特に気に入っていて、仕事をしながらしょっちゅう聴いています。詳細については、こちらをクリックしてみてください。www.vibirth.com/artist_detail/chiehanawa
六曲目は、その二曲のうちの一曲の「GARASHA-伽羅奢」。生で聴くことができて、私は感無量でありました。
七曲目は、ラビットさんの参加を得ての、日本の名曲「桜」。八曲目は、「彼方」。その名のとおりのスケールの大きな印象に残る曲でした。未聞の一曲です。
アンコールの拍手が鳴り止まないなか、ちえさんの「じゃぁ、これいってみようかなぁ」の一言ではじまった『スペイン』。スペイン の作曲家 ホアキン・ロドリーゴ の作曲した『アランフェス協奏曲』をチック・コリアがジャズ仕立てにアレンジしたものです。ちえさんの『スペイン』は、演奏されるたびに磨きがかかっています。今年作成される予定というCDにぜひ収録してもらいたいものです。驚いたのは、関谷さんがソロで見せたその圧倒的なベース・テクニックです。うねりにうねってノリノリでした。彼は、やはりタダモノではなかったのです。
手前・川村成史さん、奥・関谷友貴さん
このベースを聴いてしまうと、今月の27日の関谷さんの「ライヴ・ソムリエ」がどうしても気にかかってきます。ちえさんをメイン・プレーヤーとして迎え、その模様をDVDに収録するというのです。関谷さんの「お客さんが少ないと、映像的にカッコつかないので、みなさん、どうぞご協力をよろしくお願いします」という率直な言葉が耳底に残ってしまいました。ちえさんの「オシャレをしてきてくださいね」という言葉も、翻訳するならば、「私の晴れ舞台だから、みなさんぜひいらっしゃってください」という意味だから、これまた耳に残ってしまいました。ひと月に三回というのは、いくらなんでも多いだろう、という五〇代半ばの男のまっとうな自制心との葛藤がしばらく続くのでしょう。矛盾する言い草になりますが、みなさま、ぜひお運びくださいませ。
☆1月27日(日)
Liveソムリエ Liveレコーディング!!
場所:渋谷Last Waltz(東京都)
時間:開場18:00/開演19:00
料金:予約3000円/当日3500円(税込み、ドリンク別)
出演:はなわちえ(津軽三味線)/関谷友貴(Ba)/竹内大輔(Pf)/佐々木俊之(Dr)
お問い合わせ:lastwaltz.info(Last Waltz直通)
〔付記〕
今回はじめて写真撮影を試みました。操作に慣れていないこともあり、最初のうち誤ってフラッシュを炊いてしまいました。演奏者とお店と来場者の方々にご不快の念を抱かせてしまったことをお詫びいたします。本文中に名前が載っていながら写真がないのは、私の単なる不手際です。
ぴょんこバンドのメンバーを紹介しておきましょう。ピアノは滝本成吾さん、ベースは関谷友貴さん、パーカッションは川村成史さんです。見た目だけで判断すれば、川村さんがやや年長者のようです。当日はサプライズのバースデイ・ケーキをプレゼントされていました。パートをドラムと言わずにパーカッションとあえて言うのは、川村さんがスティックを使わずに素手で打楽器を叩くからです。ベースの関谷さんは個性的なうねむね旋律を奏で、ピアノの滝本さんは抑制の効いた音色を奏でます。全体としては、スルメイカのような味わい深いパーフォーマンスを展開するバンドです。関谷さんは、そんなに背の高くない面白そうな人です。変なことを言うようですが、私は関谷さんと友人になる自信があります。というのは、私はあまり背が高くない面白そうな人と仲良くなることが多いからです。要するに、彼に対して好印象を抱いた、ということです。
その他にメガニーズがゲスト出演をしました。メガニーズは若手の長唄三味線グループです。リーダーのラビット南谷(本名南谷舞)さんは、ちえさんと東京芸大のクラスメイトだそうで、四年間ちえさんと「無駄なおしゃべり」(ちえさんの弁)をしていたそうです。ちえさんは年越しライヴのとき、今年の目標は「ひとこと多い癖を直すこと」と言っていました。南谷さんとのMCのとき、「無駄なおしゃべり」発言が飛び出して、ちょっと間が空いたのち南谷さんから「無駄なおしゃべりが今では懐かしいのよね」とフォローされていました。おそらくちえさんは「無駄な」ではなく「たわいのない」と言いたかったのでしょう(ちえさん、大丈夫です。みんなそう思っていますから)。南谷さんはテキパキと物事を処理する姉御肌の人なのではないかと思いました。彼女の知人のブログによれば、十種類の料理をごく短時間で魔法のように作ってしまう女性、とのこと。なんとなくですが、タダモノではない人物とお見受けしました。ほかのメンバーは、サトシ・サトシタさん(長唄三味線)、マサコ・マサシタさん(長唄三味線)、石渡大介さん(笛)、小川実加子さん(打物)です。打物とは、いわゆるパーカッションのことです。
話は変わりますが、今回はUさんにお付き合いいただきました。彼と一緒にちえさんライヴを観るのはこれで三度目です。一度目は、昨年の十月二八日(日)の奏楽堂「和」(なごみ)コンサート。二度目は、十一月三日(日)CROSS STREETでの結ライヴ(http://blog.goo.ne.jp/mdsdc568/e/ff41a079b853209626b0168a45a256fd)。以前に申し上げたとおり、私は一人で音楽ライヴに行くのがとても苦手なのです(映画は平気です)。自分は心優しき友人に恵まれて幸せな奴だとつくづく思います。赤ワインをボトルで一本注文し、大きなミックス・ピザを食べながら、ゆったりとした気分でちえさんの演奏を楽しむことができました。Uさんによれば、先日行った奏楽堂は、漱石の小説に出てくるそうです。漱石は、弟子筋の寺田寅彦から西欧クラシック音楽の知識を吹き込まれたとのこと。寺田は当然何回も奏楽堂に足を運んだことでしょう。そう考えると、奏楽堂はなんとしても残したいものだと、われわれは話し合いました。折々の楽しい会話といい、Uさん、ありがとう。
午後七時から八時までのファースト・ステージは、メガニーズの出し物がメインでした。オープニングの「オドリジ」(と聴こえましたが?)にはちえさんが即興で参加しました。演奏が終わったときラビットさんが目を丸くして「ちえちゃん、即興なのにスゴイね」と言っていました。ちえさんの演奏能力の底力を垣間見る瞬間でした。ちえさんは自身のブログで「長唄三味線の曲は本当に久しぶりなので緊張した」と言っています。
ちなみに、ちえさんが黒縁のメガネをかけて登場したのにはビックリ。「ちえさん、近眼だったんだ・・・」 しかし、そういうことではありませんでした。メガニーズの長唄三味線の三人がメガネをかけて演奏するのに合わせてのシャレ、ということだったのです。あまりうまく撮れていませんが、めずらしいので、ちえさんのメガネ姿の写真をアップしておきますね。
二曲目からは、メガニーズのオリジナルが続きました。曲名はつまびらかにしないのですが、二曲目は『古事記』のあの有名な天の岩戸のエピソードをモチーフにした古代世界を彷彿とさせる曲。アメノウズメご登場のときの色気たっぷりの艶のある演奏ぶりはさすがでした。三曲目は、「赤い劇場」という思いっきりアバンギャルドな曲。よくは分かりませんが、なんだかとても実験的な試みをしていたような気がします。四曲目は、あの『妖怪人間ベム』のテーマ曲(面白かったなぁ)。五曲目は「雷の子」。これは組曲になる予定のものの一曲目のようでした。愛知県の民話がモチーフとのことで、雷の神様を救った見返りに夫婦が子宝を授かったのは良かったのですが、首の周りになんと蛇を巻きつけて赤ん坊が生まれてきたのです。その光景をメラニーズは、和楽器だけで目に浮かぶように鮮やかに表現することができていました。ちえさんによれば「こんなところでこんなふうに演奏していますが、彼らは明日の邦楽を背負って立つ人たちです」とのこと。「こんなところ」という言葉に会場のみなさんはちょっとためらいの表情でした。それを言葉にすれば、『「こんなところ」って・・・どうよ、それ』となるでしょうか。ちえさんの言葉を翻訳すれば、「純邦楽とは縁のなさそうな場所で、アバンギャルトな演奏をしていますが、じつは彼らは正統派の邦楽奏者で、将来を嘱望される存在なのです」ということでしょう。戸惑いながらも、みなさんは、そういう意味に受けとめていたはずです。
左から、ラビット南谷さん、小川実加子さん、石渡大介さん、サトシ・サトシタさん
30分のインターバルをはさんでのセカンド・ステージは、ちえさんとぴょんこバンドの共演でした。
一曲目はオハコの「津軽じょんがら節」。これは何度聴いてもぞくぞくします。それに続いて「秋田荷方節」。ちえさんの「秋田荷方節」は、とてもシャープでスリリングです。
それが終わったところで、パーカッションの川村さんが参加しました。で、三曲目は、川村さんとちえさんとの鋭角的で緊張感に満ちた掛け合いが印象的な「遭遇」。これはちえさんの「伝説の」ファースト・アルバム『月のうさぎ』に収録された一曲。ちえさんによれば、この曲で、アレグレッシヴで土俗的なところが魅力の津軽三味線と柔らかい情緒の長唄三味線との融合を図ったとのこと。彼女が津軽三味線奏者であるのにもかかわらず東京芸大の長唄三味線学科で学んだことの意味合いが、これを聴くことでひとつ分かりました。彼女はとても自覚的な表現者なのですね。
演奏が終わったところで、ベースの関谷さんとピアノの滝本さんが加わります。これで、ぴょんこバンドが勢ぞろいしたわけです。で、四曲目は名曲「月のうさぎ」。「遭遇」もそうですが「月のうさぎ」もライヴで聴くのはこれがはじめてです。感慨ひとしおでした。
五曲目は「淀」。淀とはあの、秀吉の妻の淀君のことです。ちえさんはいま、戦国時代の女性シリーズの津軽三味線プロジェクトに取りかかっています。「淀」は、そのシリーズのなかのもうじきリリースされる新曲というわけです。淀君の勝気な性格が、ポップな曲調でうまく表現されていました。
これまでにすでに「NOUHIME-濃姫-」と「GARASHA-伽羅奢」の二曲がリリースされています。私は当然二曲ともにダウン・ロードしています。そのうち「GARASHA-伽羅奢」が特に気に入っていて、仕事をしながらしょっちゅう聴いています。詳細については、こちらをクリックしてみてください。www.vibirth.com/artist_detail/chiehanawa
六曲目は、その二曲のうちの一曲の「GARASHA-伽羅奢」。生で聴くことができて、私は感無量でありました。
七曲目は、ラビットさんの参加を得ての、日本の名曲「桜」。八曲目は、「彼方」。その名のとおりのスケールの大きな印象に残る曲でした。未聞の一曲です。
アンコールの拍手が鳴り止まないなか、ちえさんの「じゃぁ、これいってみようかなぁ」の一言ではじまった『スペイン』。スペイン の作曲家 ホアキン・ロドリーゴ の作曲した『アランフェス協奏曲』をチック・コリアがジャズ仕立てにアレンジしたものです。ちえさんの『スペイン』は、演奏されるたびに磨きがかかっています。今年作成される予定というCDにぜひ収録してもらいたいものです。驚いたのは、関谷さんがソロで見せたその圧倒的なベース・テクニックです。うねりにうねってノリノリでした。彼は、やはりタダモノではなかったのです。
手前・川村成史さん、奥・関谷友貴さん
このベースを聴いてしまうと、今月の27日の関谷さんの「ライヴ・ソムリエ」がどうしても気にかかってきます。ちえさんをメイン・プレーヤーとして迎え、その模様をDVDに収録するというのです。関谷さんの「お客さんが少ないと、映像的にカッコつかないので、みなさん、どうぞご協力をよろしくお願いします」という率直な言葉が耳底に残ってしまいました。ちえさんの「オシャレをしてきてくださいね」という言葉も、翻訳するならば、「私の晴れ舞台だから、みなさんぜひいらっしゃってください」という意味だから、これまた耳に残ってしまいました。ひと月に三回というのは、いくらなんでも多いだろう、という五〇代半ばの男のまっとうな自制心との葛藤がしばらく続くのでしょう。矛盾する言い草になりますが、みなさま、ぜひお運びくださいませ。
☆1月27日(日)
Liveソムリエ Liveレコーディング!!
場所:渋谷Last Waltz(東京都)
時間:開場18:00/開演19:00
料金:予約3000円/当日3500円(税込み、ドリンク別)
出演:はなわちえ(津軽三味線)/関谷友貴(Ba)/竹内大輔(Pf)/佐々木俊之(Dr)
お問い合わせ:lastwaltz.info(Last Waltz直通)
〔付記〕
今回はじめて写真撮影を試みました。操作に慣れていないこともあり、最初のうち誤ってフラッシュを炊いてしまいました。演奏者とお店と来場者の方々にご不快の念を抱かせてしまったことをお詫びいたします。本文中に名前が載っていながら写真がないのは、私の単なる不手際です。
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