*前回に続き、大瀧詠一のエルヴィス語りを『大瀧詠一 Writing &Talking』から引きます。
タイプⅡは、ブルブルふるえるコンニャクの幽霊みたいな声でうたう歌——「アイ・ニード・ユア・ラブ・トゥナイト」「アイ・ガット・スタンド」(同タイトルを検索しましたが、ありませんでした。「アイ・ガット・スタング」が正しいのではないかと思われます——引用者注)などですが、このタイプでは例の、上げた音程を急激に降下させる、アノ手が出てくるのです。
エルヴィスのファンの人なら誰でも大好きな、ワイヤーが切れて落下するエレベーター風唱法。頭からつまさきに刺激が一気に走ります。これはもうエルヴィスならではの独断場ですね。
Elvis Presley - I Need Your Love Tonight w/lyrics
Elvis Presley - I Got Stung
タイプⅢは、ミディアム・テンポで抑えに抑えたうたい方をする——「冷たくしないで」「恋にしびれて」「テディ・ベア」「アイ・ベッグ・オブ・ユー」——などがそうです。個人的にはこのタイプが一番好きです。長く聞いていると最後にはここに来るような気がするんですが、どうでしょう?バラードのようなうたい方あり、しかもビートもあり、一挙両得・二宮尊徳、一粒で二度美味しい、得をしたような感じがするサウンドだと思うんですが、我田引水の感、無きにしも非ずといったところでしょうか。
しかし、「冷たくしないで」がファン投票で5位にランクされたということは、日本のエルヴィス・ファンの質の高さを証明している、と思います、ホントに。
(次回が当シリーズ最終回です)
Elvis Presly Don't Be Cluel 冷たくしないで
エルヴィス・プレスリーElvis Presley/恋にしびれて All Shook Up (1957年)
Elvis Presley - Teddy Bear - 1957
アイ ベグ オブ ユー
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