背景の大写しの人物は、ゾルゲ事件の尾崎秀美(ほつみ)
林千勝さんの「大東亜戦争の真実」動画シリーズをアップしてゆきたいと思います。今回は、第1回配信分をアップします。気長にお付き合いください。
私がそう思い立ったのは、林さんの3冊の歴史書を読んだ読後感が忘れがたいものだったからです。
私は『日米開戦 陸軍の勝算』『近衛文麿 野望と挫折』『日米戦争を策謀したのは誰だ!』を読んで衝撃を受け、少なからず自分の歴史イメージの変更を余儀なくされました。「自分は、大東亜戦争の真実について実はほとんど知らなかった」。そういう思いが強く残ったのです。
そうして、林さんの大東亜戦争をめぐる歴史イメージを、大東亜戦争に関心があるひとびとに、自分なりに少しでも伝えることができたならと思っていました。
今日たまたま「大東亜戦争の真実」動画シリーズを目にして、その思いを実現する気になりました。
林さんの歴史書を読むことで目からうろこが落ちる思いを味わった一例を挙げましょう。
私は、これまで、近衛文麿は、頭はそこそこ良いけれど、お公家さん気質の優柔不断なダメ政治家であると思い込んでいました。例えば、いわゆる日中戦争を拡大するような行動をしたかと思えば、突然家にこもったりして、行動に一貫性が感じられない。それは、彼の優柔不断な気質のしからしむるところなのだろう、と。
ところが、林さんは、そうではないと証拠の資料をふんだんに開示しながら言います。たとえばこういう風に。『日米戦争を策謀したのは誰だ!』から引きます。
近衛は優柔不断でもなく、平和主義者でもなく、皇室の藩屏(はんぺい)でもなく、共産主義者でもありませんでした。彼は諸勢力の「扇の要」に居ながら、敗戦革命をめざす共産主義者を利用して支那事変を拡大させ日米戦争を起こし、強大なアメリカ軍をもって天皇の軍隊を粉砕し、昭和天皇の退位を謀ったのです。ゴールは親米政権としての自らの覇権獲得です。大東亜戦争は、藤原(近衛)文麿による″昭和の藤原の乱″であったのです。(中略)
近衛は国際金融資本家たちの期待通りに乱を起こし、そして口封じに消されたのでした。彼にとってはすべてが駒でしたが、国際共産主義者たちや国際金融資本家たちにとってもまた、彼は駒でした。彼はピエロのように踊ったのです。
引いたところは、本一冊分を凝縮したような物言いになっていますので、それを順に解きほぐして語るのはシリーズのアップ全体を通じて、ということになります。しかしながら、いわゆる通説的な近衛文麿像とは、かなりかけ離れたイメージがここで語られているのはある程度分かるのではないでしょうか。
林さんが語る歴史像は、このような知的スリルにあふれた、とても刺激的なものです。ご本人は、実直さを絵にかいたような人物のように思われますが。
当シリーズを通してごらんになれば、近衛文麿のみならず、山本五十六、米内光政、吉田茂、白洲次郎、牛場友彦、松本重治といった昭和史の大立物のイメージががらりと変わることでしょう。
では、動画をアップしましょう。
「大東亜戦争の真実」を語る新番組スタート!【CGS 林千勝 大東亜戦争の真実 第1回】
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