このところ日本も含めて世界で、「まさか」という現象が立て続けに起こっている。
小泉純一郎はかって「上り坂、下り坂、そしてまさか」がある、と語ったが、そのとおりだ。
東京都知事選で石丸信二氏が165万票を獲得して2位になることを事前に誰が予想したか?
フランスの総選挙も理解しがたい結果が出た。
マクロン率いる「与党連合」が、右翼の「国民連合」が第1党になるのを阻止しようと左翼の「新人民戦線」と選挙区調整。
その結果、左派の政党連合「新人民戦線」が第1党に躍り出たのだ。
人々は、じっくりと物事を考えなくなったようだ。
まさに「脊髄反射」である。
(膝を叩いた時に脳が反応する前に膝が勝手に動く)
政策で論争するよりもどんな見せ方をするかが勝負の決め手になるわけだ。
選挙が「暑い夏の夜の盆踊り」になってしまった。
常識が通じなくなった社会では、多様性がより重要になる。
日本は高い「均質性」を維持してきたが、様々な分野でその限界が来ている。
日本が成長しない国になったという明るい希望の喪失が、若い人たちの閉塞感を生み出している。
その閉塞感が極まって「脊髄反射」を起こしているとしたら深刻である。
批判的思考を養い、新しい考えや発想に対する受容性を高め、強靭な精神力で前に進むことが求められているのだ。