日本の岸田首相はもとより、アメリカのバイデンやフランスのマクロンは低支持率に喘いでいる。
英国の保守党を率いるスナク首相は総選挙であえなく敗退、政権を労働党に明け渡した。
支持率では盤石に見えるロシアのプーチンや中国の習近平にしても実態は専制的強権で抑え込んでいるだけだろう。
総じて世界の指導者は、カリスマ性を維持できなくなった。
それは一挙手一投足が、SNSの世界にさらけ出されるからだ。
そこで指導者は都合の悪いものは隠そうとする。
その隠された部分を引きづりだすのがマスメディアの役割だが、かってのような信頼感は失われつつある。
それはなぜかと言うとテレビや新聞の収益のかなりの部分は広告収入に頼っているから。
だから突き詰めた追及が出来ないと見透かされているのだ。
我々は「民主的で開かれた統治システム」、すなわち「Open Society」を何が何でも守らなければならない。
そのためには我々が生きている社会は本質的に不完全だからこそ常に向上できる、という信念が求められる。
一方でロシアや中国のように「抑圧的な政治システム」は、個人に対して国家への役割を求める。
その意味でAI のような新技術はこれらの国で有利かもしれない。
そこで、オープン・ソサエティを自認している国でも、指導者たちは虎視眈々と抑圧的な政治システムへの誘惑を抱いている可能性がある。
その意味で「批判的精神」を持つことはつねに必要だ。