野田佳彦元首相が立憲民主党の代表に選ばれた。
所属の国会議員、次期総選挙の公認候補、地方票からも支持を広げた結果。
また一般の有権者からも野田氏の知名度の高さや「中道保守」路線シフトが好感された。
自民党の顔が誰になろうと「選挙の顔」として野田氏なら戦えるということだろう。
いつものことだが、新しく選出された小川淳也幹事長、重徳和彦政調会長、笠浩史国対委員長に対し一部議員から不満が出ている。
野党であっても代表選は権力闘争だという自覚が無いようだ。
小学校の級長や学級委員を選ぶのとはわけが違う。
一旦代表が決まったら粛々とその決定に従うという文化がまだ出来上がっていないようだ。
野田代表はこの人事の狙いを次のように語る。
「党の持続可能性を考えた。次世代にしかるべきポジションを与えることで大きく育ってほしい」
立憲民主党のコアな支持層からは、やや保守寄りに傾くことに不満があるかもしれない。
しかし従来路線の維持では政権交代は難しい。旧社会党のような抵抗政党で終わってしまうだろう。
政権を取らなければどんな良い政策も絵に描いた餅だ。
「自公過半数割れに追い込むため、野党の議席を最大化する」
そのためにも国民民主党や維新の会と手を結べる部分は組んだらよい。
旧統一教会や裏金問題で逆風の自民党に手を貸す政党は支持率が急落する。
維新にもはや「第二自民党の道」はない。
自民党にとって野田佳彦は手ごわい相手だ。
やはり首相を経験したという重厚感と弁論の雄で言葉を飾らない。
すぐあると言われている衆院選、それと来年夏には参院選がある。
この二つの総選挙は日本の針路を決める大事な選挙戦になる。
堂々の論戦を期待したいものだ。