アメリカの大統領選は、バイデン勝利で決着がついたのだが、不気味な火種が燻っている。
一つには、トランプ大統領が徹底的に抗戦して「自爆テロまがい」を行うことだ。
すでに恩赦を連発してトランプ政権で罪に問われた人々を釈放している。
さらには極右団体をけしかけて内乱まがいの暴力テロを示唆している。
本当に「潔くない」し、危険である。第二の「南北戦争」の可能性も無きにしもあらず。
日本でも、国会でさんざん嘘をついて、説明すると称してさらに嘘の上塗りをする安倍晋三元首相などかわいいものか。
もう一つの問題点は、ジョージア州の上院議員選挙がどうなるかである。
大統領選と同時に行われた上院選で、100議席のうち共和党50、民主党48が確定した。
しかしジョージア州の2議席が大接戦になり、1月5日の決選投票に持ち越しとなった。
もし2議席民主党が取り50対50になった場合、副大統領(バイデン政権のハリス副大統領)の1票で決する。
この場合バイデン政権の主要な政策は前に進むことになるだろう。
だが共和党が1議席でも獲得すれば、上院は共和党、下院は民主党のねじれが発生する。
共和党はトランプが完全に乗っ取ったので、あらゆる妨害を仕掛けてくる。
アメリカが混乱すれば喜ぶのは中国とロシアだ。
トランプが中国に仕掛けた貿易戦争は、実質的に中国に軍配が上がっている。
中国の2020年7~9月対米貿易黒字は974億ドル(約10兆2000億円)。
対米輸出は、不織布マスクや防護服と言った医療用品、リモート需要の拡大でノートパソコンやタブレット端末も拡大。
一方大豆などの輸入額はあまり伸びていない。
米国の貿易赤字は「いわゆる不公正な貿易慣行」によってもたらされたものではなく、「アメリカ製造業の衰退」が主原因だ。
バイデンがワクチン使用で「コロナ過」を乗り切っても「トランプ過」という後門の狼が待ち構えている。
共和党の良識ある人々に期待せざるを得ないのだろう。