石破政権は奇妙な安定を保っている。
高市早苗を中心とした岩盤保守層からの支持はほぼ得られない。
しかしリベラル層から一定の支持を得ているという危ういバランスの上にある。
「石破だったら閉塞感漂うこの国を何とかしてくれる」という淡い期待があるのだろうか?
しかし残念ながらこの国が陥っている「制度疲労」を突き破るところまで行けないだろう。
制度疲労ーー必然性を失った仕組みを墨守し、抜本的改善を忌避する態度が蔓延すること。
その「制度疲労」をもたらしている最大の原因は、自民党と既得権益を死守しようとする業界との癒着である。
その癒着により特定の者が利益を独占し、大多数の者は増税や保険料の増額で生活費をかすめ取られている。
自民党が真に心を改めるというのであれば、企業・団体献金は廃止すべきである。
しかし、そんな気はさらさらないわけだからもはや「病膏肓(こうこう)に入る」
膏肓とは心臓と横隔膜の間にある部分で薬も針も届かない。
自民・公明が少数与党に陥った状態で迎える通常国会は、重要な節目になる。
特に「企業・団体献金の廃止」と「選択的夫婦別姓」は30年来のこの国の課題にけりをつける時だ。
与党も野党も責任感ある国会運営を心掛けてもらいたいものだ。