9月9日未明に発生した台風15号による風水害は、被害の全容が未だつかめないまま、緊張感の欠けた対応が続いている。
千葉県は農林水産業で約300億円の被害を見込んでいるようだが、住宅被害の全容をまだつかめていない。
全壊85棟、半壊1088棟、そして一部損壊は1万2325棟に上るとなっているが、これはアバウトな数字だろう。
今後、大きな問題になるのは一部損壊が国支援の対象外になっていることだ。
何らかの支援措置を図るべきであろう。
政府による「災害対策本部」はまだ立ち上がっていない。
初動の失敗をネグるために、対応は何の問題もなかったと強弁するつもりなのだろう。
このような態度を「居直る」という。韓国では「賊反荷杖」(チョクバンカジヤ)と言うようだが。
内閣特命担当(防災担当)は武田良太氏だが、知性はあまり感じられない体育会系だ。
こんな修羅場は得意だと思うが、大臣になった喜び一杯で、本来の使命を忘れているのではなかろうか。全く顔が見えない。
今回大臣になったメンバーはみな官邸の方ばかりうかがって、国民の方を向いていないようだ。
今回の被害に対する根本的な原因を探る対応をもう始めていなければいけない。
予想外の暴風雨であったのは事実だが、だからと言ってすべてお手上げでは情けない。
一時的な初動対応以外に、根源的な対応策が欠けていたのではないか?
例えば東京電力の送電関連の設備費用は、1990年代年間9000億円だったが、2015年、原発の後は2000億円だという。
そして送電線の大きなものは70年前のものだという。
こんなことでは、中国や韓国のマスコミからバカにされるわけだ。日本のインフラに対する矜持はどこへ行ったのか?
米国から1兆円も出して使えるかどうかわからない戦闘機を買うのであれば、このようなインフラ投資にもっとカネを投入すべきだろう。
しかも東京電力はもう民間の会社ではない。(表面上はそのように装っているが)
最大の株主(51%)は原子力損害賠償支援機構で実体は国(経産省)だ。
であるならば東電任せで、東電を悪者にするだけでは責任逃れは出来ない。
国はもっと前面に立つべきだ。危機感を持て!