「権力に翻弄されないための48の法則」という本がある。
ロバート・グリーンとユースト・エルファーズの共著だ。
その中に毛沢東の三つの戦略がある。
1,最終的には必ず自分の方が勝ち残れることを確認せよ。打ち負かせるかどうかわからない相手に戦いを挑んではいけない。
2,明らかな敵がいなければ、場合によっては友を敵に変えても、適当な標的を仕立てることだ。
3,そうした敵を、自分の大義の正しさを一般に知らしめるために利用せよ。必要なら善が悪を駆逐するための戦いだと言っても良い。
さすがに3000年以上も王朝交代の歴史を持つ国だけあって、すさまじいほどの「人間不信」である。
もしくは自分を「皇帝」と考えている証左であろう。
プーチンなどもまったく毛沢東と同じようなタイプの人間だ。
何とも空恐ろしい。
習近平も独裁体制を着々と築き、行動の鏡として「毛沢東」を崇拝とまではいかないが敬意をもって見ているだろう。
そうすると毛沢東の3原則などは十分学習しており、特に第一原則にこだわるはずだ。
だからプーチンと心中する意思は毛頭ない。
戦力も経済力も世界をまとめ上げる力もアメリカが勝っているということを理解している。
ただアメリカの言いなりにはなるまい。
うまく「洞ヶ峠」を決め込んで様子見に徹するだろう。
それにしてプーチンや習近平のような独裁者は恐怖感にとらわれた心貧しき人間と思わざるを得ない。
いったん軍隊が離反したり国民の不満が膨らんだりすればクーデターや反乱が起きるからだ。