新型コロナの襲来という国難を前にして、菅首相をはじめとする我が国の指導者たちの狼狽えぶりはどうしたことだろう。
西郷隆盛は次のように語る。
命もいらず、名もいらず、官位も金もいらぬ人は仕末に困るもの也。
此の始末に困る人ならでは、艱難を共にし国家の大業を成し得られぬなり。
菅義偉には、安倍晋三の食い散らかした様々な後始末をしっかり受け止めて、この国を正常な軌道に戻すという覚悟が必要だった。
しかし安倍晋三が為した「悪事の数々」(国家の財産であるべき公文書を改ざん・隠ぺい・破棄)の共同正犯だったから、もともと期待し得ないものだった。
さらに悪いことには自分が肝いりの「GOTOキャンぺーン」に入れ込んでしまった。
コロナとの戦いの最上策は「籠城戦」だ。
それを単騎で出撃して立ち往生している図式だ。
従来の自民党であれば、逆バネが働いて石破茂あたりを総裁に担いだのだが、二階・菅の裏技コンビに牛耳られた。
そして石破派は空中分解、岸田派は公明党や二階派から刺客を送り込まれている。
ハトの岸田派は黒いカラスには勝てないだろう。
日本国にとって「最悪の選択」をしてしまった。
300年近く続いた江戸幕府を開いた徳川家康の懐の深さが懐かしい。
勝つことばかりを知って、負くる事を知らざれば、害その身に至る。
己を責めて人を責むるな。及ばざるは、過ぎたるより優れり。