「ようやく」と言えばよいのか、それとも「とうとう」と言えばよいのか、ロシア経済に変調が現れた。
ウクライナに侵攻してもう3年近くになる。
プーチンは強気の姿勢を崩さないが追い詰められているはずだ。
11月21日、アメリカは国際金融システムにアクセスを持つロシアの50行前後に制裁を課した。
その結果、1ドル110ルーブルまで下がり、2022年2月以来の水準だ。
経済制裁の影響もジワリ効いていて、食料品・日用品の価格上昇は50%になるという。
ルーブル安を抑えるためにロシアの政策金利は21%にもなる。
当然借り入れの多い企業は倒産の予備軍で、ショッピングセンター1000社の破産が取りざたされている。
さらには労働力不足も深刻で、国内から更なる兵の招集など無理のようだ。
そこで窮余の一策で北朝鮮兵まで頼み込んだというわけだ。
もっとも窮乏しているのは、ウクライナも同様で、いまや「我慢比べ」の様相だ。
ここに不確定要素としてトランプが加わる。
そして金正恩が自国の若者たちをロシアに差し出すこの愚かさ。
習近平としては金正恩がプーチンに近寄るのは面白くない。
ここから見えてくる構図は、
国民の生命・財産を無視するロシアと北朝鮮の孤立が一段と進むことだ。