その翌日。
前夜に散々話したと言うのに『10分だけ話さない?』と提案した咲人のせいで、私はまた彼と話していた。
色々話したけれど、とあるタイミングで話題は私が嫌いなものについてに及んだ。
詳細を書いても全く面白くないので(いや普段もそんなに面白くないだろ)
具体的な説明はせずに進めるけれど、
こう言う嫌いなものについて語っている時っていうのはついつい熱くなりがちだったりする。
言い訳がましいけど、人間ってそういうところ、あると思う。テヘヘ。
「…だからねっ、あたしはそういうのが大っ嫌いな、の、よ!!!」
と、言い終えると、咲人はなるほどねと冷静に返事をした。
咲人は普段から質問がやたら多いヤツなのだが、この時も逐一
「メイサ、待って、つまりこういうこと?」「あーわかったなるほどね」などなど
私の話を聞く一方でチョイチョイ質問を挟んで来た。
その姿勢は別に私を苛立たせることはなく、むしろ真剣に聞いてくれているんだという印象を与えた。
「わかったよ。で、そいつらは日本に1、2回しか行ったことないくせにああだこうだ言うんだな」
「違うわよ!一度も行ったことないくせに言うのよ!!」
「一度も!?そりゃそいつらがおかしいだろ」
「そ、う、な、の、よぉーーーー!!
アイツらどうせ、スシ、キモノ、クロカミしか知らないのによ!」
ぶっと大きめの音で咲人が吹き出した。
「何よ」
「いや、その表現面白かった(笑)」
「そ?気に入ってくれたならいいけど」
「気に入ったよ」
おかしそう答える咲人の声を聞きながら、私はふと不安になった。
咲人がいい聞き役になってくれたせいでっていうかおかげで、沢山話してしまった。
もちろんそれがお互いの求めるものなのだけど、こんなんでいいのだろうか。
少なくとも、私は彼のことを3週間前に知ったばかりだ。
そんなまだ他人みたいな人にこんなに正直なとこ見せちゃって良かったのか←前回友達って言ったやん
「咲人」
Yes?と彼が答えた。
私は静かに口を開いた。
「…さっき、私は大嫌いなものについて沢山話していたでしょ?」
「ああ」
「それを聞いているとき、どう思った?」
「?」
「私はその…すごく感情的だったと思う。それに、私の話し方は、その……素敵じゃなかった。
情熱的過ぎたっていうか…。だから、あなたはどう思ったかなって思ったの」
あぁー、と言いながら咲人が宙を見上げた気がした。
私は何度か自分の性格について指摘されたことがある。
短気、感情的、アツイ、オープンマインド。
後の2つは悪いこととは限らないけど、初めの2つはネガティブな意味で使われることが主だと思う。
シチュエーションによっては気長な時もあるし、自分よりヤバいエモーションになってる人の前では相当冷静でいられる。
でも、私の元々の性格を考えると、思い当たる節がたくさんある。
何事もいい面と悪い面があるし、人の性格がみんな同じだったら地球は回らないと思う。
けれど、自分の人となりを何度も悪く評価されたなら、だんだんと自分は問題がある人間なのだと思わされてくる。
よく考えてみれば、問題がない人間なんかいないに決まっているのだけれど。
私はどうしようもない気持ちで唇の端を上げ、咲人の返事を待った。
咲人は、ほんの少しだけ間を開けた後で、答えた。
「それは、何も問題ないよ」
Really? Are you sure? とさらに苦笑した。
「うん。そもそも俺はさ、君の意見に賛成だったし」
「………。」
「君の意見は正しいと思った。でも、それだけが理由じゃないよ。
俺は、人が何か強い感情を持って話したり主張しても、それを俺への意見だとは捉えないんだ」
「ふん?」
「人の考えを聞くのと、糾弾されるのは違う。俺はそれを冷静に聞くことができる」
ホンマかいな、と思いながらもOkayと答えた。
咲人は少し話すスピードをゆるめた。
「だからさ……」
「………。」
「君が謝る必要は全然ないし」
「………。」
「似た事も、するなよ」
咲人………。
私は言葉が出てこなかった。
いや、実際はある言葉で頭がいっぱいで。
でもそれを言っていいのかどうかよくわからなかった。
予感はしていたけど、自分の中でもそれが本当かどうか確信していなかったし、
その時はまだ解決していないことがたくさんあった。
「………。」
「感情的になるのは、悪いことじゃないよ」
「………。」
「俺たちは人間だぜ。感情的になるのは当たり前だろ」
感情的になるのは悪いことじゃないよ。
その言葉が、心に沁み渡っていった。
昔、大喧嘩をした最低な男に、お前はひどくエモーショナル!だと糾弾された記憶が蘇った。
そいつの方がよっぽど人間的にクズだったので、そんなヤツに言われたことを気にするのは無意味なのだが。
咲人は、そんなヤツと正反対な事を言った。
心についた傷にたっぷりと薬を塗って、尚、前より綺麗にしてくれた。
私は、ひどく癒されて行くのを感じた。
「(笑)」
「?なんで笑ってるんだよ」
「だって……(笑)」
「なんか変な事言ったか?」
私笑いながら答えた。
「ただ、居心地がいいなと感じてるだけ」
ふん?と咲人は鼻で笑った。
「それはマジ?それとも、そう言っただけ?」
「本当。本当に今、私はそう感じてるの」
「そ?なら嬉しいよ」
「咲人、優しいね」
んー!と咲人は唸った。
「’I know’って言いたいけど、言えないな」
「言えば?」
「言いたいけど、それは君のジョークだろ」
「(たしかに。褒められるたびに自信満々にそう答えてる笑)」
「言ったらただの二番煎じになる」
私は笑いながらそうね、と答えた。
咲人はいつでも、楽しい会話を心がけてくれている。
楽しいっていうのは、すごく意味が広い。
それは人によっても違う。
彼と私の場合は、それが少し似ているんじゃないかと思う。
咲人は、センスが良い。
冗談と真面目な話の割合。
冗談の質。
お酒を飲んでれば許されそうなくだらないギャグは少なめで
いつもどこかちゃんとロジカルなジョークを言う。
そういう細やかさや頭の良さが、彼をすごく魅力的に見せていた。
その一方で哲学者のような思考回路や理屈ぽさ、
言い訳めいて聞こえる解説の多さが面倒くさくも感じた。
けれど、彼がポジティブで私を拒絶しないでてくれる限りは
彼との会話はすごく楽しかった。
ずっとずっと
朝まで語り明せると思った。
「ありがとう、咲人」
私のI know や Yes,I am も相当うざいが、
咲人は咲人で、You’re very much welcome といつものようにエラそうな声で答えた。
彼の声はセクシーなんだけど、本当に喋り方がエラそうって言うか、キザだ。
「咲人は…」
プツッ!
突然電話が切れた。
あ!と思い当たり急いで携帯を見ると完全に死亡していた。
あぁ〜…そりゃそうだよな。
10分だけっていうから大丈夫だと思って、残り10%くらいで話し始めちゃったんだもん。
ふと時計を見ると、もう1時間以上経っていた。
充電コードに携帯をつないだが、画面が起きるのに時間がかかる。
はやる気持ちを抑え、歯を磨いたりしながら待った。
その頃にはようやく画面が明るさを取り戻し、私はもう一度会話画面を開いた。
もう流石に寝た方がいいな。
メッセージしよう。
『ごめんね咲人。携帯の電池きれちゃって。今やっと3%回復したところ』
すぐに返事が来た。
『問題ない。わかる。』
『あなたが言ったより長く話しすぎたのよ』
『(笑)明日またかけるよ』
えっ、まだ話すの?
『すごく楽しかったんでしょ?だから10分を過ぎてもずっと話してたんでしょ』
私の自信過剰な問いに、
咲人はスマイルマークだけで返して来た。
『今日は、すごく興味深い話題と考えについて話したと思う』
はあ?
『でも、昨日はちょっと違ったと思う』
はい?
昨日はつまらなかったとな?
あんだけ話しといて。
『なんで?』
『明日詳しく説明するよ』
『イヤよ。私は今知りたいの。端的かつわかりやすく今すぐ説明して』
『うーーーん』
『ま、言いたくないならいいけど?』
『じゃ電話して』
えー?!ヤダよ!(笑)
もうさすがに眠いし。無理無理。
てかまだ10%しか戻ってないし!(笑)
『NO.話し始めたらやめられないから、今日はもう電話しないわ』
と、
次の瞬間
ピピピピピ……
トーク画面が、着信画面に変わった。
相手はもちろん、咲人だ。
えっかけてきたの?!ダメだって言ってるじゃーん!
私はとっさに拒否ボタンを押した(爆笑)
『あ、し、た、ね!』
と、あっかんべーのスタンプつきで送信すると、Hahahahahaと返信が来た。
『咲人、You’re so bad! (笑)私、NOって言ったのに!』
『んーーー…多分君が正しい』
多分じゃないだろ(笑)
彼は続けた。
『文章で説明するのは複雑で無理だよ。俺が説明しても、多分君はもっと質問したくなると思う』
『わかったわ』
『明日電話するの楽しみにしてる』
ふーん?
『知ってる。先程やったことから判断するに、咲人は私とすごーくお話ししたいみたいね』
すぐに咲人は、恥ずかしそうなスタンプつきで「true」と返信して来た。
ははは(笑)
可愛いじゃん。
咲人はさらに送って来た。日本語で。
『おやすみ』
『はは、おやすみ』
『またね』
またね、と私も書こうとして、指を止めた。
またねじゃなくて、私がどう思ってるか伝えたいこと、あるんじゃないのかな。
私の気持ちというか……
ポチ……ポチポチ………
「Nete mo same te mo :)」
咲人
あなたもそう思ってくれるかな。
おやすみなさい。
続きます。
前夜に散々話したと言うのに『10分だけ話さない?』と提案した咲人のせいで、私はまた彼と話していた。
色々話したけれど、とあるタイミングで話題は私が嫌いなものについてに及んだ。
詳細を書いても全く面白くないので(いや普段もそんなに面白くないだろ)
具体的な説明はせずに進めるけれど、
こう言う嫌いなものについて語っている時っていうのはついつい熱くなりがちだったりする。
言い訳がましいけど、人間ってそういうところ、あると思う。テヘヘ。
「…だからねっ、あたしはそういうのが大っ嫌いな、の、よ!!!」
と、言い終えると、咲人はなるほどねと冷静に返事をした。
咲人は普段から質問がやたら多いヤツなのだが、この時も逐一
「メイサ、待って、つまりこういうこと?」「あーわかったなるほどね」などなど
私の話を聞く一方でチョイチョイ質問を挟んで来た。
その姿勢は別に私を苛立たせることはなく、むしろ真剣に聞いてくれているんだという印象を与えた。
「わかったよ。で、そいつらは日本に1、2回しか行ったことないくせにああだこうだ言うんだな」
「違うわよ!一度も行ったことないくせに言うのよ!!」
「一度も!?そりゃそいつらがおかしいだろ」
「そ、う、な、の、よぉーーーー!!
アイツらどうせ、スシ、キモノ、クロカミしか知らないのによ!」
ぶっと大きめの音で咲人が吹き出した。
「何よ」
「いや、その表現面白かった(笑)」
「そ?気に入ってくれたならいいけど」
「気に入ったよ」
おかしそう答える咲人の声を聞きながら、私はふと不安になった。
咲人がいい聞き役になってくれたせいでっていうかおかげで、沢山話してしまった。
もちろんそれがお互いの求めるものなのだけど、こんなんでいいのだろうか。
少なくとも、私は彼のことを3週間前に知ったばかりだ。
そんなまだ他人みたいな人にこんなに正直なとこ見せちゃって良かったのか←前回友達って言ったやん
「咲人」
Yes?と彼が答えた。
私は静かに口を開いた。
「…さっき、私は大嫌いなものについて沢山話していたでしょ?」
「ああ」
「それを聞いているとき、どう思った?」
「?」
「私はその…すごく感情的だったと思う。それに、私の話し方は、その……素敵じゃなかった。
情熱的過ぎたっていうか…。だから、あなたはどう思ったかなって思ったの」
あぁー、と言いながら咲人が宙を見上げた気がした。
私は何度か自分の性格について指摘されたことがある。
短気、感情的、アツイ、オープンマインド。
後の2つは悪いこととは限らないけど、初めの2つはネガティブな意味で使われることが主だと思う。
シチュエーションによっては気長な時もあるし、自分よりヤバいエモーションになってる人の前では相当冷静でいられる。
でも、私の元々の性格を考えると、思い当たる節がたくさんある。
何事もいい面と悪い面があるし、人の性格がみんな同じだったら地球は回らないと思う。
けれど、自分の人となりを何度も悪く評価されたなら、だんだんと自分は問題がある人間なのだと思わされてくる。
よく考えてみれば、問題がない人間なんかいないに決まっているのだけれど。
私はどうしようもない気持ちで唇の端を上げ、咲人の返事を待った。
咲人は、ほんの少しだけ間を開けた後で、答えた。
「それは、何も問題ないよ」
Really? Are you sure? とさらに苦笑した。
「うん。そもそも俺はさ、君の意見に賛成だったし」
「………。」
「君の意見は正しいと思った。でも、それだけが理由じゃないよ。
俺は、人が何か強い感情を持って話したり主張しても、それを俺への意見だとは捉えないんだ」
「ふん?」
「人の考えを聞くのと、糾弾されるのは違う。俺はそれを冷静に聞くことができる」
ホンマかいな、と思いながらもOkayと答えた。
咲人は少し話すスピードをゆるめた。
「だからさ……」
「………。」
「君が謝る必要は全然ないし」
「………。」
「似た事も、するなよ」
咲人………。
私は言葉が出てこなかった。
いや、実際はある言葉で頭がいっぱいで。
でもそれを言っていいのかどうかよくわからなかった。
予感はしていたけど、自分の中でもそれが本当かどうか確信していなかったし、
その時はまだ解決していないことがたくさんあった。
「………。」
「感情的になるのは、悪いことじゃないよ」
「………。」
「俺たちは人間だぜ。感情的になるのは当たり前だろ」
感情的になるのは悪いことじゃないよ。
その言葉が、心に沁み渡っていった。
昔、大喧嘩をした最低な男に、お前はひどくエモーショナル!だと糾弾された記憶が蘇った。
そいつの方がよっぽど人間的にクズだったので、そんなヤツに言われたことを気にするのは無意味なのだが。
咲人は、そんなヤツと正反対な事を言った。
心についた傷にたっぷりと薬を塗って、尚、前より綺麗にしてくれた。
私は、ひどく癒されて行くのを感じた。
「(笑)」
「?なんで笑ってるんだよ」
「だって……(笑)」
「なんか変な事言ったか?」
私笑いながら答えた。
「ただ、居心地がいいなと感じてるだけ」
ふん?と咲人は鼻で笑った。
「それはマジ?それとも、そう言っただけ?」
「本当。本当に今、私はそう感じてるの」
「そ?なら嬉しいよ」
「咲人、優しいね」
んー!と咲人は唸った。
「’I know’って言いたいけど、言えないな」
「言えば?」
「言いたいけど、それは君のジョークだろ」
「(たしかに。褒められるたびに自信満々にそう答えてる笑)」
「言ったらただの二番煎じになる」
私は笑いながらそうね、と答えた。
咲人はいつでも、楽しい会話を心がけてくれている。
楽しいっていうのは、すごく意味が広い。
それは人によっても違う。
彼と私の場合は、それが少し似ているんじゃないかと思う。
咲人は、センスが良い。
冗談と真面目な話の割合。
冗談の質。
お酒を飲んでれば許されそうなくだらないギャグは少なめで
いつもどこかちゃんとロジカルなジョークを言う。
そういう細やかさや頭の良さが、彼をすごく魅力的に見せていた。
その一方で哲学者のような思考回路や理屈ぽさ、
言い訳めいて聞こえる解説の多さが面倒くさくも感じた。
けれど、彼がポジティブで私を拒絶しないでてくれる限りは
彼との会話はすごく楽しかった。
ずっとずっと
朝まで語り明せると思った。
「ありがとう、咲人」
私のI know や Yes,I am も相当うざいが、
咲人は咲人で、You’re very much welcome といつものようにエラそうな声で答えた。
彼の声はセクシーなんだけど、本当に喋り方がエラそうって言うか、キザだ。
「咲人は…」
プツッ!
突然電話が切れた。
あ!と思い当たり急いで携帯を見ると完全に死亡していた。
あぁ〜…そりゃそうだよな。
10分だけっていうから大丈夫だと思って、残り10%くらいで話し始めちゃったんだもん。
ふと時計を見ると、もう1時間以上経っていた。
充電コードに携帯をつないだが、画面が起きるのに時間がかかる。
はやる気持ちを抑え、歯を磨いたりしながら待った。
その頃にはようやく画面が明るさを取り戻し、私はもう一度会話画面を開いた。
もう流石に寝た方がいいな。
メッセージしよう。
『ごめんね咲人。携帯の電池きれちゃって。今やっと3%回復したところ』
すぐに返事が来た。
『問題ない。わかる。』
『あなたが言ったより長く話しすぎたのよ』
『(笑)明日またかけるよ』
えっ、まだ話すの?
『すごく楽しかったんでしょ?だから10分を過ぎてもずっと話してたんでしょ』
私の自信過剰な問いに、
咲人はスマイルマークだけで返して来た。
『今日は、すごく興味深い話題と考えについて話したと思う』
はあ?
『でも、昨日はちょっと違ったと思う』
はい?
昨日はつまらなかったとな?
あんだけ話しといて。
『なんで?』
『明日詳しく説明するよ』
『イヤよ。私は今知りたいの。端的かつわかりやすく今すぐ説明して』
『うーーーん』
『ま、言いたくないならいいけど?』
『じゃ電話して』
えー?!ヤダよ!(笑)
もうさすがに眠いし。無理無理。
てかまだ10%しか戻ってないし!(笑)
『NO.話し始めたらやめられないから、今日はもう電話しないわ』
と、
次の瞬間
ピピピピピ……
トーク画面が、着信画面に変わった。
相手はもちろん、咲人だ。
えっかけてきたの?!ダメだって言ってるじゃーん!
私はとっさに拒否ボタンを押した(爆笑)
『あ、し、た、ね!』
と、あっかんべーのスタンプつきで送信すると、Hahahahahaと返信が来た。
『咲人、You’re so bad! (笑)私、NOって言ったのに!』
『んーーー…多分君が正しい』
多分じゃないだろ(笑)
彼は続けた。
『文章で説明するのは複雑で無理だよ。俺が説明しても、多分君はもっと質問したくなると思う』
『わかったわ』
『明日電話するの楽しみにしてる』
ふーん?
『知ってる。先程やったことから判断するに、咲人は私とすごーくお話ししたいみたいね』
すぐに咲人は、恥ずかしそうなスタンプつきで「true」と返信して来た。
ははは(笑)
可愛いじゃん。
咲人はさらに送って来た。日本語で。
『おやすみ』
『はは、おやすみ』
『またね』
またね、と私も書こうとして、指を止めた。
またねじゃなくて、私がどう思ってるか伝えたいこと、あるんじゃないのかな。
私の気持ちというか……
ポチ……ポチポチ………
「Nete mo same te mo :)」
咲人
あなたもそう思ってくれるかな。
おやすみなさい。
続きます。
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