昨年に大学を卒業し日系企業で働き始めた息子。
初任給が、誘われた時に示された賃金の半額で、1年経っても全く昇給しないので5月にタイの財閥系企業へ転職。
新しい職場の賃金は前職の給与+αで「前より少し増えた」と言っていたので3万〜3.5万バーツ程度だっただろう。
新規プロジェクトを担当し、7月から日本へ行って準備を進めているが、日本のサプライヤー企業との商談は順調に進み、好条件での契約も出来ており、会社から良い評価を得られたのか「昇給したぞ〜!」と電話をしてきた。
昇給後の基本給は6.5万バーツ(27万8千円)。
息子が卒業した大学の学生は月5万バーツ以上を目標に就職活動をするそうで、7万バーツ(30万円)以上も珍しくないらしく、取り敢えず目標達成。
日本では同じ会社なら一般職と総合職の違いくらいで大卒初任給に大きな違いは無いが、タイでは「息子が転職?」
の記事へ書いた通りで、ある企業では一般社員の大卒初任給は1.8万バーツだが、幹部候補で採用されると3.6万バーツと倍額であり、入社時から大きく格差がある。
優れた専門知識があれば初任給から10万バーツを超える人も居るらしい。
タイには大卒給与が月1.5万バーツ以上という規制があったと思うが、一般に大卒初任給が1.2〜1.5万バーツの企業が多く、低評価大学卒だと高卒扱いされたり、アルバイトでしか採用されなかったりで、月1万バーツ以下の収入となる人も居る。
物価が高騰したこの頃は、大学で寮生活をする学生でも月1.5万バーツ程度の生活費が必要であり、そのくらいの賃金でアパートの部屋を刈りて生活するのは難しく、就職後も親から援助を受けたり、ルームシェアして家賃を節約したりだそうだ。
そんな安い賃金では働けないと、大学卒業後に親元へ戻ってニートになる人も多く、「(経済的に)苦労して大学を卒業させたのに、どの子も仕事もせずに家へ居て嫌になる」と嘆く知り合いは何人も居る。
ニートのまま放置出来ないので、親が伝手を辿って就職させたりだが、高賃金を求めれば海外出稼ぎだったり、公務員を目指しても役場の臨時職員から始まったりで、安定した職を得るまでの道程は厳しそう。
タイでは新卒採用をせずに経験者採用のみの企業も多く、どこかで働いて専門的な知識や技術を習得しないと、何時まで経っても低賃金で働くしかなかったりする。
大学進学先の選択から就職を意識し、在学中に資格取得等を行うのが良いだろう。
息子は今担当しているプロジェクトがタイで成功すれば、アセアン各国へ展開する話があるそうで、日本から帰国後も現地調査で各国への出張を繰り返すらしい。
バンコクで息子と同居のパートナーはタイの大学院進学を目指していたが、英国の大学を卒業しているのでインターコースしか受け入れて貰えず、学費が学期40万バーツ(170万円)と高額なので大学職員となって優遇された学費で進学するつもりだったが、職員として志望する大学を見ると嫌になる部分もあったみたいで、昨年に進学を断念して民間企業へ就職。
こちらも1年弱でマネージャーへ昇格したそうで、本社勤務まであと一歩らしい。
息子は前の会社での昇給を見込んで彼女と駅近の築浅賃貸マンションで暮らしており、家賃を考えると生活はかなり厳しかった筈。
これで少しは余裕のある生活が出来るだろう。
私の力不足で息子には苦労させてきたので、ホッとしている。
お久しぶりです。
息子はユーチューバーのヒカルへ似た能力があり、今までに会った人をかなりの割合で覚えてますし、プレゼンテーションも得意で、誰が見ても営業向き。
昔は「口先男」と叱っていたのですが、成長と共に行動が伴い始めまして、就職先の日系企業で教えて頂いた事も多かったそうです。
待遇さえ見直して頂ければ続けて働きたかったそうですが、高物価なバンコクで彼女とギリギリの生活を続けるのは難しかったらしく、とうとう転職してしまいました。
日本企業は、人材を採用して社内で育成し、業務で身に着けた知識や技術は会社のものという意識だと思いますが、タイでは専門的な知識や技術を持った人を採用し、業務で身に着けた知識や技術は個人のスキルとし、更に良い待遇の企業があれば持って行ってしまう。
個人の情報をもった人材紹介会社が企業へ紹介し、興味を持たれると次々と転職を誘うタイですから、息子の賃金が短期で倍増したのは、タイ企業としては当然だったかも知れません。
メディアからも何度も指摘されてますが、タイ人を雇用するのに日本式を持ち込んでも難しいでしょう。
娘も初任給5万バーツを目指して志望校を決め、受験勉強に励んでます。
息子は、高い理想へ実力が伴わず、挫折の繰り返しでしたが、大学を入り替えた後に良い先生や仲間に恵まれ、支援して下さる企業もあって好循環が続き、力をつけ始めました。
今後も勉強をして資格取得等に励むと言ってますので、伸びてくれると嬉しいです。
差別については、昔は「(正当な)理由の無い差別がダメ」と言ってた筈ですが、最近は「差別がダメ」と言ってますね。
本来、人は均質ではありませんから、『差』もありますし、それぞれ『別』の取り扱いをされるのも当たり前なのですが、「結果平等」を正義と学校で教えるなら「共産主義の亡霊」が彷徨ってますから怖いですね。
今褄が出店している商業施設の前にはロールスロイスを停めてスタバで休まれる方も居られますし、妻のお得意様が買われた植物の近況を写真で見せてくださると、背景には王宮の様な家が写っていたそうです。
それらお金持ちの方々は隣の一応共産国家から来られているのですが、世の中へ平等なんて存在するのでしょうね?w
タイでも日本でも一応は機会平等に見せかけた仕組みはありますが、私は「教育とは格差を正当化する仕組み」だと思ってます。
「勝ちたいのか?負けたいのか?勝つためには何をしなければならないのか?」格差だらけのタイ社会で育つ子供達へ何度も問いかけて来ましたよ。
ちなみに、よい話だと思って一部を子に読み聞かせると、給与に差がつくとは酷い差別だとの感想を述べました。
なぜ酷いと思うのか?と私が尋ねると、如何なる差別も許されない、と担任の先生が言っていた、と答えたのです。
単に子の誤解なんでしょうが、もしも結果平等が正義だと学校が教えているとしたら終わっているな、と日本が心配になりました。
いや、ウチの子の誤解、理解不足に決まってますね。
『他人の不幸は蜜の味』とか『他人の幸福は飯がまずい』と言いまして、こういうのは人間の本能だそうで記事にしても受けが悪いのですが、私の周りには「大学を卒業した子供が就職できない(しない)」話が溢れてますから、タイでの就職と初任給の事情について書いてみました。
息子の場合は前の会社で担当した業務を正確に出来る人材が少ないそうで、その経験を評価されて採用され、実務で800万バーツ程改善したらしく、それを評価されての賃金倍増だったみたいです。
息子は取り敢えず就職活動時の目標を達成しても満足してないみたいで、更に上を目指して頑張るそうで、猪突猛進タイプですから親としては心配してます。
長期の出張なので彼女が日本へ会いに行くらしく、それが一番の元気の素でしょう。w
良い事が有った後は、多忙でも養生が少なくなりがちでしょうから。少し心や環境をゆっくり見て、健康には十分お気を付け下さい。
古から色々言い伝えもある見たいだし。