自由詩人クラブ No.132
幸せの貯蓄
幸せの貯蓄
ボクには沢山の貯蓄がある
それは形の無い貯金
お金よりも重く、人生を輝かせる
宝もの
若い頃、ボクは気づかなかった
金を追いかけ、会社を築き
汗を流し、時を削り
それが何になるのかも知らず
得たものは幻のように消え
朝露のように儚く、虚しく
あとに残ったのは
争いの影と、心の荒野
今、ボクは小さな家に一人住む
けれど窓の向こうには
四季が踊る公園の緑と自然の営み
鳥のさえずり、風のささやき
何もない、だが何も失っていない
健康な体 自由な心
自分で舵を取れる人生の流れ
それだけで、十分にしあわせ
傾聴ボランティ活動で
お年寄りの話をただ聴く聴く
それだけで涙を流され
次も来てね、と手を握られる
友達もいるようでいなかった
損得勘定の人が多かった
今 無欲に素の自分と付き合ってくれる
自分らしく生きる自然の交わりが嬉しい
小さな喜びが心に積もる
まるで落ち葉が土を育むように
ボクの幸せ貯畜は膨らんでいく
こんな自然体で生きることが幸せ
80歳になるボクは思う
遺された時を、これらの貯畜の温もりで
心豊かに過ごしていきたい
この幸せをボクのエネルギーとして
感謝と共に。
肇&Kirihara no.132 幸せの貯蓄
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