定年オヤジの備忘録

趣味や興味あることを適当に備忘録として残すブログ

定年になったので、ブログタイトルも変更しました。

成毛 眞 本は10冊同時に読め!

2009-06-21 10:19:10 | 読書記録
・はじめに-人生に効く「超並列」読書術
 ビジネスハウツー書ばかり読む人が信じられない。「金持ち父さん 貧乏父さん」系の本を読んでいる人、こうすれば儲かるという投資本や、年収1500万円を稼げるといった本を読んでいる人は、間違いなく「庶民」のまま終わるだろう。できる社員系の本を読んでいる人も同じである。
 「今すぐ役に立つ」ということは、「すぐに役に立たなくなる」ということだ。
 もし「庶民」から脱したいのであれば、今までのような「みんなと同じでいい」という考えを捨てるべきである。みんなが行く場所には行かず、みんなが食べるものは食べず、みんなが読む本は読まないことを徹底すればいい。

・「超並列」読書術とは何か?
 「超並列」読書術とは、例えば、物理学の本と江戸の文化を題材にした新書、戦記物のノンフィクションと経営学の論文というように、まったくジャンルの異なる本を同時並行的に読みあさっていくことである。
 1冊ずつ本を読み通す方法ではない。場所ごとに読む本を変え、1日の中で何冊もの本に目を通す読書法である。
 著者の家のリビングには50冊以上の本が置いてあり、寝室には2~3冊、トイレにも3~4冊の本が置いてある。会社の机上にも数十冊の本が積んであり、カバンの中には通勤用の本が常時2~3冊入っている。1冊の本を持ち歩いて読むのではなく、それぞれの所定の場所でしか読まないのである。
 本のジャンルやテーマによって、刺激される脳の部位が異なるので、同時に読む本はなるべくバラバラのジャンルの方がいい。

・「クリエイティブ・クラス」になる読書術
 クリエイティブ・クラスとは、人から言われたことをただ忠実にこなすのではなく、自分の頭で考えて行動できる人のことである。
 一度読み始めたらそのままダラダラと読み続けるのではなく、どこを読み飛ばし、どこで読むのを止め、どこをじっくり読むのかを自分で判断していく。

・本当のようなウソ-情報への判断力はここで磨く
 情報には常に発信側の主観が織り込まれている。正しい情報を手に入れるには、情報の裏の意味を考える頭が必要である。
 ネットに出回っている情報は玉石混交なので、正誤性を確認するためには、本で調べるという行為は不可欠である。3冊くらいの本で同じことが書いてあったら、信憑性があると判断してもいい。
 騙される人は、自分にとって都合のいい情報しか受け入れられない頭になっている。

・「生きた証」を残せなければ蟻と変わらない
 イソップ童話では、遊び暮らしたキリギリスよりも勤勉なアリが正しかったというオチがある。しかし、せっかく生まれてきたのに、楽しみをまったく知らないまませっせと働き続け死んでいくのでは、誰のための人生かわからない。そうした生活を何十年と送っても後には何も残らない。自分の一生を終えた時には、自分が生きていたという証はなくなってしまう。
 本を読まないと、今現在のことしかわからない。だからみんなと同じ生活を送る道しか見えないのである。歴史や文化を知れば、現在がすべてではないことがわかるはずである。同じ現代であっても、国が違えば生き方は無限にある。自宅にいながらあらゆる時代・場所の生き方を追体験できる読書は様々な生き方の可能性を示してくれる。
 自分ができない経験を本の世界では疑似体験できるのである。実際にその場所に行ってみないとわからないのは、想像力がない証拠である。想像の中で遊ぶのが、最高に贅沢な遊びではなかろうか?

・まずは「成功本」を捨てよ
 成功とはイノベーション、つまり革新性のあることを実現できた時に初めて成り立つものである。他人が思いつかないようなビジネスをして、他人がマネできない生き方をしてこそ、自分の人生を生きているのではないか?お金とは、その副産物としてついてくるものである。金儲けをしたくてビジネスを始める人は、一生お金に支配されたままだろう。それは真の成功ではなく、形を変えた働きアリである。
 井の中の蛙の成功者たちの話を聞いても、たいして得るものはないだろう。その手の成功者の話に感動して憧れているようでは「庶民」から脱することはできない。
 先ずは家の中にある成功者うんぬんといった本を捨てるべきである。人の成功はマネするものではない。自分がマネされる側に回らないと成功は程遠い。

・「使える金」はすべて本に注ぐ!
 頭の中に知識を貯金しておけば、いずれ億単位のお金を稼げるようになる。
 使えば簡単になくなってしまうお金と違って、読書で得られる知識や教養や哲学は生きている限りなくなることはない。むしろ使えば使うほど増えるのである。お金に縛られ、追われる人生を送るのか、知識をいう一生モノの財産を使って、残高など気にしないでいられるほど稼げる人間になるのか。お金とは、使い方次第で生き金にも死に金にも変わるのである。

・読書に目的を持つな
 読書は仕事に役立てるためにするものと決め込んでしまえば、自分が現在やっている仕事に関係する本しか読めなくなってしまう。だが、仕事の幅を広げ、仕事のためのアイデアを生み出すのは、一見仕事にはまったく役に立たなそうな「今の仕事とは関係無い本」である。
 教養を身につけるために本を読もうとするなら、それはもう読書ではなく勉強である。知識を機械的につめ込むだけでは、人生を豊かに生きるための力はつかない。ただ蘊蓄をひけらかすことしかできないのであれば、それは知的な人間ではなく、たんなる雑学王である。

・「合間読み」「ながら読み」の極意
 もともと複数の本をザッピングのように細切れに読んでいく「超並列」読書術の場合、読書のためのまとまった時間は必要ない。
 例えばテレビを見ている時でも本を読む。テレビは頻繁にCMが入るので、その間に本を読むのである。
 無理に何かを犠牲にしなくても、読書時間はいくらでも作れるのである。読書は場所を選ばない。だから「合間読み」だけでなく「ながら読み」も可能である。
 昼休みにも本は読めるし、夜寝る前に5分間本を広げるだけでも1か月に換算すると2時間半になる。

・自分にとってのいい本を選ぶための眼
 アメリカ人のエリートは「金持ち父さん 貧乏父さん」を読んでいたとしても絶対に人には言わない。それどころか「はあ?何それ」という感じで知らないふりをする。その手の本を知っていること自体で、レベルが低い人間だと見なされる恐れがあるからである。その手のベストセラーを読むことと、野球やテニスなどのスポーツをテレビで観戦するのは同レベルである。商談の時に相手の共感を得るために話題として出すくらいで、真剣に読んで本に書いてあることを実行するようなものではない。
 外国人と話す時も、ありきたりな話題を仕込んでおくよりは、マニアックな話題を仕込んでおく方が効果的である。
 欧米人は仕事の能力はもちろんのこと、その人の思想や思考などを重んじる傾向がある。日本のことを聞かれて「わかりません」と連発しているようでは、次第に相手にされなくなるだろう。自分では意識していなくても、相手は日本代表としての意見を聞きたがっているのである。いくら語学力があっても、伝える内容がなければ意味はない。いい包丁を持っているだけでは料理はうまくならないのと同じである。

・1を読んで10を知る本の選び方
 書店は本を買うために利用するところである。店で半分くらい読んでから棚に戻したり、続きを買ってから読むのは時間の無駄である。
 著者は本を選ぶ時に1冊にかける時間は5分以内と決めている。
 目次と前書きを読んだだけでも、1冊の本を読むのと同じ効果はある。立ち読みで目を通した本も、読んだ本にカウントしてもいいだろう。
 この時に大切なことは「すっかり読んだ気」になることである。読解力があれば1を読んで10を知ることができる。最後まで読み通すのが「読書」とは限らない。内容を理解することが「読書」なのである。
 週に1回書店に行き、5冊立ち読みをすると、買って帰らなくても月に20冊の本を読める。年間で計算すると240冊になるから、相当量を読んだことになる。

・「かっこいい本棚」をつくろう
 本棚は人に見せるものではないが、本棚を見られても恥ずかしくないようなラインナップを揃えたいものである。
 かっこいい本の条件
 ①タイトルがかっこいいこと。「○○ができる方法」「○○力」のようなタイトルの本が並んでいたら「私はバカです」と言っているようなものである。もし、自分の本棚にそういう本があるのなら、隠した方がいい。
 ②装幀がかっこいいこと。
 ③帯がかっこいいこと。

・35歳を超えたら「遊びのノウハウ本」を読もう!
 中堅社員に勧める本は、アリはアリでもいかに「働かないアリ」になるかという本である。最近の研究で、働きアリの中には2割の働かないアリがいることが判明している。一日中仕事もしないで自分の体をなめてのんびりと過ごし、他のアリにエサを運んでもらっているそうである。実にうらやましい。自分の趣味を広げるために遊びのノウハウ本を片っ端から読むといい。

・「本は捨てない、借りない、貸さない」
 著者の家は小さい頃から本だらけだった。親が読書家だった。
 読書を好きではない人は、親が読書をする習慣がなかったのであろう。たいていは親のどちらかが読書家なら、子供は本を読むようになる。子供は親の姿を見て育つのだから、親が毎日本を読んでいると子供も自然に本に手を伸ばすようになる。

・おわりに-本は「人生を楽しむ」知恵の宝庫である!
 読書とは、過去と未来を読み解くための道具である。読書をしない人は、今現在しか見えない。だからちっぽけな常識にとらわれて人生が行き詰る。
 まじめにコツコツ働いている生き方を見直して、もっといい加減な生き方をしてみることである。人生は道楽である。楽しみ尽くした人が勝ちである。
 読書をすればするほど、人生のあらゆる可能性が広がるのである。
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