京都逍遥

◇◆◇京都に暮らす大阪人、京都を歩く

琳派百図展

2010-10-02 21:49:45 | アート・文化

たまたまチケットが手に入ったので、京都文化博物館5階で開催された『琳派百図展』に行った。10_003 昨日は招待客のみ、今日は一般公開。主催は日本伝統染織工芸保存協会だが、チケットには「酒井抱一・生誕250周年記念」とあるだけで、どういう内容なのかよくわからなかった。会場に着いたら、抱一の絵を写した呉服の展示会。元になった屏風や掛け軸も数点あり、模写まであるが、絵を観たかった私には、満足の行くものではなかった。

そもそも「琳派百図」というのは、『光琳百図』をもじったものなのだろう。『光琳百図』とは、抱一が、光琳画の縮図を収録して刊行したものだ。これがヨーロッパに渡って、浮世絵ブームを起こしたのだとか。確かに抱一は江戸琳派の創始者ではあるが、「琳派百図」と言うのなら、鈴木其一も入れてほしいところ。

着もの・帯は、細かい絞りや、多色で染められた柄、柄に合わせた刺繍など見事な手仕事で、ひと目で高価と分かる品々。こういう反物のデザインをするのは、当然日本画の心得もある人たちなのだろう。が、無理矢理「抱一うつし」にしていなかったか。

日本画の素人の私が言うのも何だが、絵には間というものがある。ただデザインだけ借りてきても、縮尺が変わったり、植物の茎の長さや向きが変わったりしたら、それはもう違うものになってしまう。

そんな中でもいくつか気に入ったものがあった。「夕顔」。暗い地色に白い夕顔がぽっと咲いて、山吹色の蕊が明るく照らしていた。夕闇に、そこだけ華やいでいるような。それと、タイトルは忘れたが、抱一の描く幹や葉を再現したものもあった。灰色に焦茶色が混ざった葉に緑青を乗せ、にじませる。琳派を離れるなら、他にもあったのだが。

10_001 今日の一番の収穫は、京都文化博物館に自転車置き場があると知ったこと。30台ぐらい停められそうだった。

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