京都髙島屋グランドホールで開催中(3/27~4/16)のシャガール展。絵を観に行くのは久しぶりだ。こうしてブログを書くのも久しぶり。
サブタイトルに「日本未公開作品を中心に」とある通り、あれもこれも見たことがない。スイスの個人所蔵作品が多く出展されているとのことで、小品が多く、版画もあった。このホールの展示はいつもこうだったか記憶にないが、床にテープで規制があるのみ。小品をじっくり見るには、ありがたかった。
シャガールといえば、ダフニスとクロエの作品群。それらを初めて観たのは、生誕100年記念の回顧展でだった。改めてカタログを見ると、銅版でもリトグラフでも、版画でありながら、その線は丸みを帯び柔らかい。私の知っているシャガールの絵は、ほぼそういったもの。ところが、このチラシ右上の『キリスト復活のための習作』は、直線的な太く濃い黒が目立つ。まるで、ルオーだ。そういえば……と、昔買った絵葉書から一枚を探し出した。『白鳩を放すノア』。しっかりした輪郭だが、筆致は柔らかだった。
個人的に好きだったのは、チラシ中央に掲載されてもいる『婚約者たち』。これはごく小品だったが、優しく、力強く、愛が溢れていた。
会場内に掲げられていた大きな写真が気になった。妻(ベラ?)の後方に置かれた等身大とも思える大きな肖像画。その肖像画こそ、本物を見たかった。
ユダヤ人は宗教上の理由から画家にならなかった時代に教育熱心な母はそれを許した、というような解説があった。偶像崇拝の禁止は「神の形を作ること」を禁じているだけだと思っていた。それが、絵を描くこと全般、またそれを職業とすることにまで及んでいたのだろうか。レンブラントも、モディリアニもユダヤ人ではなかったか。敬虔なユダヤ教徒は、ということなのだろうか。