詩と写真 *ミオ*

歩きながらちょっとした考えごとをするのが好きです。
日々に空いたポケットのような。そんな記録。

届かない場所

2017年12月15日 | 
家と家の間を縫って歩く
わたしたちにはまだ
朝の光は届かず
あざやかな青の底に沈んでいる

鳥の声が八分音符で降ってきて
見上げれば
灰色の木が伸びあがった先のほうは
光の角度に収まり
白と金色に塗りわけられて
ちいさなおなかをふくらませた小鳥が
枝の実のようにとまっている

風景はすべて
気がかりなひとを示唆してしまうけど
低いところで
同じところを回るばかりの
ひとりきりの問答
葉っぱが散るにも何かを思い出して
胸がいたくなってしまう
ふいにやぶって
ずっと上のほうで
ただその瞬間だけを夢見る
その奥に重力を離れて結ばれている
ちいさな世界が咲いている




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