詩と写真 *ミオ*

歩きながらちょっとした考えごとをするのが好きです。
日々に空いたポケットのような。そんな記録。

だれも見たことがない

2017年09月18日 | 
その姿をだれも見たことがない。
おおきな翼があるという。
口を開けば傷口のようだという。

あなたは無益なひとだと言う。
わたしに、愛が必要なのだとすれば、それはこんな形になるのだろう。

だれもいない。
カラカラとプラタナスの落ち葉が地面を動いていく。
その生命(いのち)はいまや音だけだ。

遠い国からやってきて、来歴を耳元でささやく。
だからみんな遠い目をする。
自分が生まれた場所を見失って。

狂うこともある。
激しさは誰かの叫びのようだ。
寄り添うこともある。
誰かのなぐさめのように。

それは姿もないのに風とよばれている。
よく生きたとき、周りのものたちがその姿をなぞる。
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