詩と写真 *ミオ*

歩きながらちょっとした考えごとをするのが好きです。
日々に空いたポケットのような。そんな記録。

移ろい

2015年05月24日 | 
気付かぬうちにプラタナスは青々と茂り
強い日差しを遮るアーチの並木を歩いている
アスファルトを一枚めくって
その下をすべっていくみたいに
地面もひとも同じ模様をまとって揺れている

二階の窓でカーテンがふくらむ
こっそり秘密を教えるみたいに
さあっという砂糖の溶けるような音に
手をつないだ星々の形が消えると
両手の大きな哨兵たちが
びりびりに裂けた緑の衣をいっせいに振り乱す

足元へ
乾いた葉っぱが
カラカラカラと転がってくる
これから無法者がやってくるそれは合図
急いでカーディガンの胸もとをあわせて

(逃れることなどできないのに)
急ぎ足でアーチを抜けて屋内へ逃げて
扉が閉まるとビュウビュウと風が大きくなる
つばさをいっぱいにひろげて回転しながら
巨大な目が迫ってくる

見ている私見られている私
回転しながら
日々新しく作用する
コリオリの力によって逸れながら
少しずつどこかへ向かう
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