灰色猫の毛並みのような雲の隙間に
驚くほど若い空が現れる
同じ空を見たことがある
もう15年も前のこと
不安で憂鬱で若かったが
いまも同じくらい不安で憂鬱で
若くない
15年の間に
3回引っ越して
3回勤め先を変えた
たくさんの人に出会った
でもそれは世界の人口の1億分の1くらい
いろんなとんちんかんな努力をして
成長したつもり
でも他の人にはわからない
知識や知恵よりも、皺やシミが増えたことくらいしか
わたしもときどきわからない
若いかんじは苦いに似ている
若い空がひろがる
遠慮深げに退いていく雲の縁は
白く光っている
だんだん若い空が見えなくなってくる
最後になつかしさみたいにオレンジ色になって
夜に隠れる
月が出る
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