方位磁針
2018年01月21日 | 詩
この街ならば北がどちらか
方位磁針のように感じている
海はどこへ行った
山はどこへ行った
折り重なるビルのカーテンに隠れても
針を細かくふるわせて
北を探している
青い標識に白字で書かれた隣町の名前
初めて目にするなら
いつか横を歩いているはずの未知の恋人の顔
そのくらいに抽象的
でもわたしならすでにその街に
いくつかピンを刺している
元気なときも元気でないときも行く
お気に入りのカフェ
祖父母の住む家があった一角
もう会わなくなった友だちとよく遊んだ公園
もちろん足を踏み入れたことがない場所も
おびただしい水の群れのようにある
もうなにも見ていないくらい繰り返し歩いた道も
気まぐれにたとえばあの石垣を曲がれば
ざぶんざぶん手足で分け入っていく
新しい角度で切り取られた夢の数々
わたしにしか測れないその先の距離
道はまっすぐでないこともある
ずっと歩き続けて
同じ道に戻っていることだって
いつも探している
北はどっちだ
靴ひもを結びなおして
気持ちをぐんと空まで伸ばして見回せば
周りに何がごちゃごちゃあったって
わたしの中のどこかで
磁石がふれる
わたしの感覚のどこかが
ふるえる方角はきっとわかるはず
方位磁針のように感じている
海はどこへ行った
山はどこへ行った
折り重なるビルのカーテンに隠れても
針を細かくふるわせて
北を探している
青い標識に白字で書かれた隣町の名前
初めて目にするなら
いつか横を歩いているはずの未知の恋人の顔
そのくらいに抽象的
でもわたしならすでにその街に
いくつかピンを刺している
元気なときも元気でないときも行く
お気に入りのカフェ
祖父母の住む家があった一角
もう会わなくなった友だちとよく遊んだ公園
もちろん足を踏み入れたことがない場所も
おびただしい水の群れのようにある
もうなにも見ていないくらい繰り返し歩いた道も
気まぐれにたとえばあの石垣を曲がれば
ざぶんざぶん手足で分け入っていく
新しい角度で切り取られた夢の数々
わたしにしか測れないその先の距離
道はまっすぐでないこともある
ずっと歩き続けて
同じ道に戻っていることだって
いつも探している
北はどっちだ
靴ひもを結びなおして
気持ちをぐんと空まで伸ばして見回せば
周りに何がごちゃごちゃあったって
わたしの中のどこかで
磁石がふれる
わたしの感覚のどこかが
ふるえる方角はきっとわかるはず
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