詩と写真 *ミオ*

歩きながらちょっとした考えごとをするのが好きです。
日々に空いたポケットのような。そんな記録。

光学的な現象

2016年05月08日 | 
わたしとは光学的な現象なのでしょう
波長を様々に変えることやまず
重なり合い
囲い込み合い
外へ開けば戻って来ず
内へ閉じれば無気味な屈折を繰り返す

公園でかくれんぼ
呼びかける声が動いて
耳を澄ましている
期待と恐れとあきらめが
綱を引き合って
見つけ出されるのを待っている
勝負は長引く

夕暮れが赤ん坊の泣き声を追い出した公園に
ひとりでに砂に手を描く枯山水
置いて木彫りの跡
一ニ三
スカートなんかはかなかった
あの頃は赤い実を切に持っていた
みずからの屈折率も知らなかったので

方向を定められない光にとって
出会うものすべてがプリズム

暗い箱の中に映し出された七色は
あなたという障害物があれば
向かっていく波長がふくらむほどに
大きくたわみ
あなたの背中へとまわりこむ

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