走るナースプラクティショナー ~診断も治療もできる資格を持ち診療所の他に診療移動車に乗って街を走り診療しています~

カナダ、BC州でメンタルヘルス、薬物依存、ホームレス、貧困層の方々を診療しています。登場人物は全て仮名です。

大きなビジョンを持って

2019年10月07日 | 仕事
予防と聞いて医療の何を思い浮かべますか?

予防接種?検診?

医療において予防と言う観念はとても重要です。全ての医療がこれを元に行われています。Primary and secondary disease prevention と言います。プライマリーは疾患にかからないよう促す行為。生活習慣の指導、がん検診、新生児検診、妊婦検診など。急性期病院はプライマリーが予防できず、病気になってしまい重篤な症状の人が訪れる場所なので、急性期で働く人はピンとこないかもしれません。しかしセカンダリーは最初の疾患から次の疾患への移行を予防する事です(入院中に塞栓系の疾患が起こらないようにする行為、院内感染が起こらないように、薬や治療の副作用など)。急性期ではプライマリーの疾患の症状緩和や治癒だけではなく、このセカンダリーの疾患への予防をしてるいと認識をして欲しいと思います。

そしてこれらの行為は医師だけの特権ではなく患者に関わる全ての人の任務である事も認識して欲しい。

「川嶋みどり氏は言います。
私は医師のアイデンティティーを奪ってまで、看護師が偉くなろうとしなくてもいいと思います。看護師は看護をやればいいのです。傷口を縫う前に予防しろと言いたいです。それが看護なのです。」

(診療看護師、特定行為についての発言) ツイッターで拾ってきた文で前後はこちらからお読みください。この抽出した部分のみに対しての意見をここに書きます。


予防は看護の重要な核であり、看護師はそれを認識して行動しているはず。既に行われているはずの事をわざわざ書かれていると言うことは、日本の看護教育にそれが抜けていると言う事ですか?

そしてそれを看護の専売特許のように位置づけるのは他の医療者への冒涜的な発言。時代は分業ではなく多職種による協働です。

医師のアイデンティティーを奪ってまで、、、の下りでは海外のナースプラクティショナー(NP)は医師とは異なるタイトルを持ち、医師と一見同じような行為をしていると表面的な行動で周りは判断しがちですが、医師とは違うアプローチ(看護学のアプローチ)で医療行為を行う、医師とは異なる職業の位置付けを獲得しています。この事より川島氏は海外のNPについて勘違いをなされているのではないでしょうか?

日本の看護界を牽引してきた方が、このような言葉を公に出す(もちろんこれに至った前後の流れはあります)とは非常に残念でなりません。

そしてさらに疑問が浮かびます。日本で診療看護師を推進されている方々は、正確な情報を提供し、診療看護師の教育課程を構築する際に何か大事なものを見落とされたのではないでしょうか?

過去10年間に日本の看護界で派閥的な亀裂、NP導入に関して猛反対した団体の存在も承知の上で言いたい。行為、行為と表面的な討論ばかりで、教育に関しては特定行為の技術重視の内容。NPは技術屋ではありません。診療看護師と特定行為研修修了者の違いは不明確なまま。それこそ医師の真似事と取られても仕方のないような状況を作り出したのも川島氏の発言に影響を与えていると考えています。

過去を振り返りつつ、未来を見据える大きなビジョンを持って、国民のための医療という視点から進んでいきませんか?



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