走るナースプラクティショナー ~診断も治療もできる資格を持ち診療所の他に診療移動車に乗って街を走り診療しています~

カナダ、BC州でメンタルヘルス、薬物依存、ホームレス、貧困層の方々を診療しています。登場人物は全て仮名です。

集団心理

2019年10月06日 | 仕事
先日の飛行機内でのメディカルエマージェンシーの続き。

着陸後シートベルトを外すサインが出ても座席から立ち上がらないようにとアナウンスが入りました。飛行中に具合の悪くなった2人を搬送する為です。空港に救急車がスタンバイしていました。

しかしそれを無視して立ち上がり棚から荷物を下ろそうとする人が数人いました。皆乗り継ぎ便を心配しているようでした。乗務員に文句を言う人もいました。チーフっぽい人は大きな声で指示に従うように言うばかりです。エンジンが止まると空調も止められ、機内の気温が一気に上がります。そうすると人間おかしくなりますね。乗客の態度がもっと悪くなります。

救急隊員が到着し、簡単にアセスメントをして患者を連れ出しました。それでも立つことを許されない乗客の怒りはピークへ。特に患者が歩いて機外へ出て行ったことに対して何が緊急事態だ!と。

きっと機外の通路で救急車用のストレッチャーに乗るようにしているか、そこでもっと観察をしているため、連絡路に乗客が溢れないようにする為だと思いますが、そんな事を一般人は知るよしもなし。長時間のフライトの後いち早く出ていきたい、乗り継ぎに遅れたくないのは皆同じ。なんて様だと人間の醜さを見たような気がしました。私の隣人の若者は高齢者がこんな長時間のフライトに乗るべきではない、迷惑だ、とも言いだしました。誰しもいつかは歳をとり高齢者になると言うのに、なんて事を口にするんでしょう。

歩けるぐらいの軽傷だったから飛行が予定通りに到着できたんですよ。除細動器が使われたり、意識消失とかだったら、緊急着陸して乗り継ぎ便どころではなかっただろうに。そう言うところをラッキーと思えないネガティブな人たちって、、、嫌だわ。

飛行機内で病気になろうと思っている人はいませんよね。タイミングが悪かっただけですよ。こちらは2015年にこれまたエアーカナダのカルガリー発東京行きの機内で生まれた赤ん坊のニュース。母親は妊娠している事を知らなかったそうで。3人の医師が出産を補助したとか。



世界文化遺産でも生活をしている人がいる。パラボナアンテナがなんだか妙。

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