走るナースプラクティショナー ~診断も治療もできる資格を持ち診療所の他に診療移動車に乗って街を走り診療しています~

カナダ、BC州でメンタルヘルス、薬物依存、ホームレス、貧困層の方々を診療しています。登場人物は全て仮名です。

やるかやらないか

2020年06月25日 | 仕事

先週の地域のNP会議で何故美加はコロナテストセンターを手伝わないの?と聞かれた。テストセンターを運営しているのは私以外のナースプラクティショナー(NP)たちのボス。私のボスはその企画に関わっていないから。NPが7人いた時は回っていたが3人退職者が出て回らないと。私は私で私のボスが企画するホームレスのコロナ対策に加わっている。

しかしボスが違うと言えども同じ保健機構、同じ街で働く仲間。放っておくには気が引ける。で、じゃあオリジナルのボスからの依頼のメールと最近の統計結果を転送して、と頼む。私のボスを説得させ、そちらを手伝うようにするから、と言うと、そんなことまでしないといけないのなら、不要と言われた。大きな組織で違うボスの企画に加わるのは色々面倒なところがある。面倒くさいことでも自分が加わるなら手順を踏んで、現状を把握したいと思っただけなのに。

で、この人手不足は地元の問題となり、医師と話していた時にも同じ話題が出てきた。コロナのテストセンターの稼働率とか、陽性率とか、聞きたかった数字をこの医師から聞くことができた。私はただでは動かない。必要性を吟味して、優先準備を決めなければ、わざわざ自分の患者診療をクローズしてまで派遣されるのなら、それなりの理由が欲しい。この医師と話している時はそう言う数字が得ることができて有用だった。先の同僚たちは「言われているから、やっている」感は十分あるが、理由は強く出なかった。

命令といえば命令。しかしNPとして優先順位とか大きな組織と自分の患者とのバランスや考える力を持っているべき。上司とのネゴシエーション技術も持っているべきだ。それがAPN(高度実践看護師)である理由。残念だな、と思った。

この医師が教えてくれたのだが、私は医師会の長から美加を現職から引き抜いてはいけない、と言われているらしい。理由は地元のNPの中で効果的に使命を果たし、診察数も群を抜いて多いから。これ以上美加を働かせてはいけない、と。あら、まー、随分褒められているよう(他のNPは逆の業績らしい)。3ヶ月ごとに提出する統計の効果は大きい(他のNPはしていない)。統計を出そうと出さまいと、考察しようがしまいが給料はもらえる。しかし風向きが全然違うのがわかる。役割を確立させるのは、こう言うことかもしれない、と思ったのであった。

さくらんぼの季節。野生の小ぶりのさくらんぼ。でも甘酸っぱくて美味しい!






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