走るナースプラクティショナー ~診断も治療もできる資格を持ち診療所の他に診療移動車に乗って街を走り診療しています~

カナダ、BC州でメンタルヘルス、薬物依存、ホームレス、貧困層の方々を診療しています。登場人物は全て仮名です。

ベテランであっても

2020年06月24日 | 仕事
先週の勉強会のお題は麻薬依存。自分の得意分野で他の参加者の苦手分野。題材の症例は3つ。3つ目は違法薬物を処方薬物の上に使用し、違法薬物使用を辞める意思がない若い女性。診察中に嘘をつく事も、の例。いろんなディスカッションの後に、1人が言う。

違法薬物使用を辞める気がないのならプライマリーとしてやることはないし、嘘をつく患者とはやってやれないから私ならディスチャージ(患者登録から外す)させるわ。

ナースプラクティショナー(NP)とは思えない意見にびっくり。

皆さんはどう思いますか?

薬物依存の治療をするかしないか?それだけが医療と言えばこのNPの言い分はわかる。しかし医療とは、特にプライマリーケアでは、患者を全人的にそして時間軸と言う人生でケアを行なっていく。そう捉えるならば薬物依存治療を拒否しても血液感染症の有無を調べたり、患者教育、予防接種、ハームリダクションなどプライマリーとしてやることは沢山あるのだ。と、私の意見を述べると彼女は罰が悪そうにしていた。なんせ彼女はベテランNPですからね。

どんなにベテランになっても何故NPなのか、プライマリーケアとは何かを忘れたくはない、と思ったのでした。


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