シリーズ8日目
シリーズの要約:
1日目:プロは自治団体を持ち、自治団体内で全てをまかなっているので、外部から干渉されない。
2日目:強制力(法的効力)のないスタンダードやスコープは無意味
3日目: プロの自治体は教育機関と無関係なものでなければならない
4日目: スタンダードとスコープとは
5日目: プロの自治団体である免許を管理する団体とは
6日目: 国家試験が計るもの
7日目: 政府の影響力
さあ、今回のシリーズの発端となったカピパラさんの本文へ戻りましょう。
「これまで看護職が追い求めてきた(かもしれない)、完全専門職(full profession)は蜃気楼のようなものだったと、不肖カピバラ、言い切らせていただきます」 と書かれていますが、 海外ではprofessional Autonomy を確立させ、得たものも多くある、と1〜7日目までかけて書いたので何故私がカピパラさんの記述に同意できないのかが理解していただけたと思います。蜃気楼ではありません。実現可能なものなんです。
同じような内容を以前に書いていたことに気づきました。違う言葉で読んでみたい方はこちら。
今回のシリーズでProfessional Autonomy (プロの自律) にはSelf governances (専門以外の人を入れない自分たちの) 且つ教育機関とは紐付けされていないRegulatory Body (自分たちを管理する団体)が必須だと書いてきました。 しかし勘違いしないでください。自治は自分勝手にやり放題ではありません。
日本国憲法があり、その下に他の法律があり、その下に、、、と大義なものから実践的なものに狭まりながら規則は作られるのです。よってプロの団体にとって規約はその上の法律内となります。しかし法というものは解釈が異なるものが出てくるのは当然で、ガチガチの規則ではない、ということも忘れずに。よって自治内で法規を作る医療職の場合、専門家、つまり弁護士にコンサルトすることも重要になってきます。
そこさえクリアできれば、専門をわかっているもの同士で自治体を作っていける。どうですか、プロの自律が見えてきたでしょうか?もし私がそのプロセスについてコンサルトされたら、、、
看護協会と連携した団体をつくります。まずは看護師免許に関する団体づくり。その団体に雇うのは英語に堪能な人物(もちろん看護師)。大学と兼業できません。残りの人生をこの事業に捧げることができる人材。
まずは英米カナダやAUS、オランダなどへ行き、レギュレトリー団体で情報集める。何をどう管理しているか、スコープやスタンダードも持ち帰りましょう。そしてそれらを照らし合わせて、日本のスコープとスタンダードを作成。日本の看護師免許の管理も始めます。毎年更新を紙を使わずにできるようにソフトウェア開発も業者と組んで行います。特定看護、認定看護師についても特別枠的に盛り込みましょう。
看護師の組織ができたら、同様に保健師、助産師、准看看護師と進めていきます。そして最後が日本版NPです。
看護協会は認定看護師や専門看護師の登録管理をしていますから、この際ここの部門を独立させるか拡大するのが良いでしょうね。でも繰り返します。今のままではダメです。今まで書いてきたことをしっかり盛り込まなければならないのです。
と言うかな?!
あああ、素敵、素敵。自分たちの管理が自分たちでできる。スコープとスタンダードがあれば教育機関もそれを中心に教育内容が修正しやすくなる。こうなれば世の中のニーズにあった教育のアップデートにもスピード感が出ますね。
長く続いたこのシリーズは本日で一旦終わり。次回からはカピパラさんの同じブログの中から別の話題でシリーズを始めます。では!