走るナースプラクティショナー ~診断も治療もできる資格を持ち診療所の他に診療移動車に乗って街を走り診療しています~

カナダ、BC州でメンタルヘルス、薬物依存、ホームレス、貧困層の方々を診療しています。登場人物は全て仮名です。

プロと自律 その7

2023年12月09日 | 仕事

シリーズ7日目


シリーズの要約:

1日目:プロは自治団体を持ち、自治団体内で全てをまかなっているので、外部から干渉されない。

2日目:強制力(法的効力)のないスタンダードやスコープは無意味

3日目: プロの自治体は教育機関と無関係なものでなければならない

4日目: スタンダードとスコープとは

5日目: プロの自治団体である免許を管理する団体とは

6日目: 国家試験が計るもの


プロの自治体はその職業を成している人で構成されているから、看護職にとって医師が入ってくる必要性はゼロです。


ではこの医師と看護師の関連について歴史から考えて行きましょう。 


戦争のため看護師の絶対的不足で世界中で看護師の養成は病院附属の形で行われていました。そうすれば病院は多くの看護師を確保することができるからです。これは日本だけではなく、海外も同じでした。 しかし海外では職業訓練校的な学校から看護学を学問として大学教育とするようにしました。そして医療先進国と呼ばれる国々は附属看護学校制度を撤廃し大学一本に絞っていったわけです。いや、逆に考えてください。自治体がスコープやスタンダードを作成して、その内容は3年では消化できない内容で、もっと考える力やクリティークする力が必要となってきました。そして資格試験は4年制の教育課程を終えたもののみが受験資格があると自治内で決定したので、3年制度の必要性がなくなり、自然に淘汰されていったのです。自治力というのはこういうところにも現れます。


しかし日本にはまだまだ3年制の学校がメインで大学の看護学部数は受験者の全体の30%にも満たない数です。その上、看護師免許の取得に必要な単位数は3年なので大学でさえも3年の看護課程プラス保健師の1年もしくは助産師の1年を足して4年にしている有様。学問を学ぶはずなのに、職業訓練としてタスクをするだけの養成。考える力、クリティークできる力、修士や博士に向かう下準備の場所としては????な内容。これについても以前にシリーズで書きました。


厚労省と文科省の課題 - 走るナースプラクティショナー   ~診断も治療もできる資格を持ち診療所の他に診療移動車に乗って街を走り診療しています~

厚労省と文科省の課題 - 走るナースプラクティショナー ~診断も治療もできる資格を持ち診療所の他に診療移動車に乗って街を走り診療しています~

シリーズ2日目。私が思う、日本の看護界の課題。正看護師も含むOO看護師の明確な区別化とスタンダードとスコープの作成学士課程の見直し:3+1の教育課程から真の4年課程への...

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もう5年も経つのに何も変わっていない。それは何故なんでしょう。それは政府に首根っこを掴まれているから。そしてその政府に影響を与えているのは???医師会ですよね〜


何度、4年制にするように懇願書を持っていったって変わるわけありませんよ。医師会の顔色を伺う政府が相手ですから。こんなところにも国家資格と国が管理する、としている負が現れているんですよ。


わかりますか?自治を持たないために他からの影響を受けてしまう状況を。海外と日本、以前は同じ状況だったのに大きな差が出てしまっている。何が違いますか?


違いは自治体を持っているかどうかですよね。 自治を作ることで海外では医師から首を突っ込まれる状況からの離脱にも成功したのです。


わからない????


時に親が子の自立をはばかるのは何故ですか?独立会社を許さず提携会社もしくは子会社の形をキープさせる親会社がいるのは何故ですか?


コントロールと利益を得たいからですよね。それと同じです。


利益は、、。強いて言えば安い労働力。2年制の准看護師、3年制で看護師は多量生産。低賃金では長く働かないから量産しなくちゃね。そして医療組織の頂点の立ち位置の確保。医師会の影響力は看護職だけではなく、薬剤師に対してもありますよね〜。物事が前進しない元凶。あら、どこぞやの国で女性は教育を受ける必要がないと女性の進学を認めない国みたい。自分の立ち位置を守るのに必死!日本って民主主義じゃなかったかしら(超嫌味)


続く



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