走るナースプラクティショナー ~診断も治療もできる資格を持ち診療所の他に診療移動車に乗って街を走り診療しています~

カナダ、BC州でメンタルヘルス、薬物依存、ホームレス、貧困層の方々を診療しています。登場人物は全て仮名です。

優劣をつける?!

2022年09月27日 | 仕事
学会二日目は曇天 時折小雨。印象がガラッと変わるバンクーバー。

昨日の続き。疫学者はBC州の感染症センターで働いている方。質問の中に、

隣のアルバータ(AB)州はコロナ前、オーバードース(OD)率がBC州と同じだったのに、先日の発表によると半分になった。その反対でBC州は悪化している。その事についてどう思うか?

疫学者の返答に驚いた。

AB州の統計を見ましたか?あのやり方は雑すぎます。BC州はもっと良いデータ分析をしています。その上で言うと、BC州が本当の結果を出しています。

と言ったからだ。私はどちらの論文も読んでいない。なので何も言えない。しかしこの方、はっきり、きっぱり言い切ったから驚いた。え?そんな事を公の場で言って良いの????と。

数字というのは扱いようによっては結果を自分の意図する方向へ持っていくことができる。そういうところを吟味するのも統計学で学ぶこと。結果を鵜呑みにしない、ツッコミどころがないか?の視点で論文を読む癖はつけておきたい。もちろん、この方はこれで飯を食っているわけだから、自論を言うこともできるわけだけど、、、、

AB州の事を貶してるのでは?BC州のやり方が優れている!と優劣をつけているのでは?と私は思った。それに競争相手、と言えばそうだけど、国全体で見たら、同僚になるのでは?同僚の事をそんなふうに言って良いの???と。

それに会場以外にも顔の見えない参加者がいたわけで(参加者のうち1/3が会場参加。2/3がオンライン参加)BC州の人のみが参加していたのではなく、AB州の人もいたはず。誰が参加しているかわからない状態で言い切る勇気というか、度胸が凄い。

私たちの論文を読んで、二つを読み比べればわかります。楽しみにしてください、とニコニコしながら言う。いやーその論文がまだ世に出ていない段階で、そこまで言えるのか、、、と驚いたのでした。いろんな人がいるのねえ、、、


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