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走るナースプラクティショナー ~診断も治療もできる資格を持ち診療所の他に診療移動車に乗って街を走り診療しています~

カナダ、BC州でメンタルヘルス、薬物依存、ホームレス、貧困層の方々を診療しています。登場人物は全て仮名です。

高齢者のホームレス

2018年06月17日 | 仕事
私の患者層の平均年齢は50歳。なので、高齢者の診療は滅多にしない。避けているのではなくて、ターゲットにしている患者層は若年層という事だ。

しかしゼロではない。高齢者のホームレスが初診としてやってきた。75歳。自分の父より2歳下。メンタルヘルスもなければ薬物依存もない。至って健康で平穏に一人暮らしを送っていた彼がどうしてホームレスへ?と疑問に思う。

アパートを借りていた彼。隣の人と折り合いが合わなくなり、隣の人が仕掛けた罠にはまりアパートを追い出されたとか。テレビのような話。ま、それはさて置き、その追い出された後彼がとった行動は車の中に住む事。だって住処がないんですもの。そんな生活を3ヶ月も送った彼。

何故?と思う人は多いと思います。彼のように同じとろこに長らく住んでいると、賃貸料金高騰の影響を受けません。賃貸者は守られていて州に決められた上昇率を守らなければなりません。しかし一旦その契約が解消されると新規契約となるわけで、貸し手の思い通りの金額となるわけです。

最近の地価高騰により賃貸料金も跳ね上がり、高齢者には高値となってしまいました。高齢者や障害者のために州が管理する賃貸物件には限りがあり簡単に入れるわけではありません。だから彼はホームレスとなったわけです。

なんとも世知辛い。高齢者だけではありません。家族ホームレスも珍しくない世の中になってきているのです。地価高騰で濡れ手に粟でお金儲けをしている人の影で苦しむ人々。社会問題です。


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