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名神高速から新名神高速に入り、信楽ICで降りる。山に囲まれた盆地の中に、日本六古窯の一つ信楽焼の産地があります。信楽の地名は、742年(天平14年)聖武天皇が、この地に紫香楽(しがらぎ)という離宮を造営したことに始まります。インターから市街方向に2キロほど行くと、右側に紫香楽宮址の案内が出ています。この離宮の瓦を焼いたのが起源になりますが「茶陶信楽」として、注目されるようになったのは室町・桃山時代以降のようです。
信楽焼の特徴は古琵琶湖層の粘土にあるようです。土中の鉄分が赤く発色、絵付けの作品が少なく、素朴で暖かい感じを出しています。
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陶芸の森には、信楽産業展示館、陶芸館、創作研修館などがあり、ウオーキングコースもあります。信楽焼といえば狸を思い浮べますが、昭和天皇が、信楽を行幸された時、たくさんの狸に歓迎され、歌を詠んだ逸話が広まったようです。あちらでもこちらでも狸の置物が、歓迎してくれますが、歴史は比較的浅いようです。
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展示館の中には、茶器、花瓶、庭園陶器、陶板、食器など信楽独特の「さび」「わび」を残した、購買欲をそそる物がたくさんあり、もたぬもののわびしさを感じながら、信楽の地を離れました、近江から甲賀、伊賀、地方にかけて、古代渡来豪族、秦氏の一大勢力圏であり、優秀な陶工たちも、たくさん居たのでしょう。帰途は信楽ICから東名阪高速に入り、江南に。