麗しき夫婦仲とかのお話ではありません、汗、
猫と下僕の二人三脚で最終ゴールまでで学んだ、つたない経験などであります。
故カラス対決ちゃん、
見かねて彼女とは2008年6月30日から暮らし、晩年は免疫不全で様々なトラブルが起こりました。
命がけの大きなオペは2回ほど、
あの時は猫の肉体も、自分の精神も良く乗り越えたと思います。
(母親の死後、後見人制度手続きやヘルパーにお金を盗まれていた事件のあたりです。)
とにかく、カラス対決の晩年は一年以上鼻水が止まらない、
きちんと時間で投与した抗生剤も効き目悪し、ついには鼻水はスパゲッテイ状に、
最終的にがくんと食欲がなくなり、薬を使っても食べる意欲がわかなかった。
また多飲気味だったのが、瞳孔不同を起こしてから、飲み水を空中で飲むような空振りをしたり、多飲でなくなったり、動作がおかしかった。 餌もボロボロこぼし食べ方が下手でした。
とにかく口を触られるのが嫌で、口腔内は診ていただいても口内炎もなく、また口が痛い猫特有の前足を使う、前足が汚れるなどという事もなかった。
また輸液は嫌がり、その抵抗は酷かったし(針で皮膚が切れるほど)血が結構出て、
この件では見落としたことがあり、悔やんでいますが、
ようは出血傾向に陥っていた、最後の黄疸、肝リピの治療+ビタミンKなど必要なのかを飼い主はちゃんと訴えるべきでした。
先生に診ていただいた時に猫もまだ黄色くなかったのです。
水、食べ物拒否状態でも、朝晩投薬があるのでなるべく一口でも、嫌がる輸液は一日おきでもといれたつもりですが、どうにもこうにも、今回はうまくいかなかった。
アカメと抱き合わせで通院していても、8月29日はアカメだけオペしてもらい、なぜカラスを一緒に連れて行かなかったのか悔やまれます。
ただ、見た目は、アカメは悲惨で目も当てられない、
カラスは本当に食べずにキャッキャッと楽しそうにしていました。
写真は食べなくなってもえらく元気な頃。毎日ご機嫌でした。
29日に法事、麻酔のさめきらないアカメを受け取り帰宅、
失禁が私のベッドに一か所、次の日も三か所、
猫が失禁始まると数日で死亡が私の今までの経験、
これが病気なのか、老衰なのか、普通の飼い主は履くタイプのペット用オムツを当てるのか?
疑問に思いながら実際に年齢もわからないので、下手な強制給餌と投薬をしていました。
思ったことは、猫は人と違って、いつまでもかわいく子供に見えますけど、
老人にマラソンさせたり、受験させるような過酷な試練はさせたくないという事でした。
その後、アカメの食道チューブの扱いになれ、猫がおびえないこと、空腹だと食事を入れてもらいたくて待つこと、投薬の正確さなど、その利点が理解できたので、
毎日の強制給餌と投薬でべたべたに汚れ、飼い主に怯えきった眼のカラスに経鼻カテーテルを痛み止めで、ほんの一瞬で入れていただき帰宅したのですが、すでに遅かった。
先生はクリニケアも自宅に配達するように手配してくださった。感謝です。
病院でもにゃっ、にゃっと返事をし愛嬌をふりまき大丈夫かと思ったのですが、
治療開始途端に猫は、どんどん時間ごとに悪くなっていきました。
一番飼い主の私が迂闊だったことは、アカメ、カラスとも抗生剤(セファレキシン)に変えた、その投与した日、その時点から副作用が強く出て、薬が切れても、猫2匹は食欲不振のうえ吐き続けダメージを負ったこと。
(この抗生剤はかなり気持ち悪くなるケースがあるそうですが、でもカラスの鼻水が止まったことは確かです。)
私はカラスが亡くなった後に、ようやくアカメのあまりの具合の悪さで気が付き、もしやと変えていただいて、今アカメはご飯を催促するように回復しましたが、少しの期間の投与でも回復までも倍の時間がかかりました。
カラスも始めから、最初の一度でダメージを受け、投薬の時間は鼻カテの蓋を抜くのに触るだけで、おびえました。なぜか水などの投与は普通に受け入れたのですが、薬入りの水は即座に反応しました。そして入れたとたん吐きまくりました。吐いた後でも投薬の時間はまた来るので、繰り返しで可哀そうなことになってしまいました。
肝リピの治療と同じでも、入れても食べれないのでは進行するばかりです。
したがってせっかくのカテーテルの効果も発揮せず、死の20時間前には、私は助からないと引き抜き、(エリザベスカラーはとっくに外していたのですが)呼吸苦も始まっていたので、カラスのあのホッとした顔は忘れられません。
そのあともビリルビンを失禁しながらも猫は頑張って、本当に最期まで良く粘ったと思います。お家が好きだったのだと思います。
入院で亡くならなくて良かったのかな、自宅のいつも固執している縄張りで看取れて良かったのだろう。それだけが慰めです。
また、今回この危機を乗り越えたとしても、次の危機がすぐに来る、
免疫が落ちてきて感染しやすく、体力もなく、猫エイズ発症への下り坂をたどっている段階、使える抗生剤も減るばかり、苦しい最期が暗示されていました。
それでも猫の飼い主は最後のゴールまで二人三脚で、最悪の中でも、なるべくいい最終章になるようにゴーするしかないです。
◆経鼻カテーテルで学んだ事
顔面だし、エリザベスプラスで猫には気の毒であるけど、全身麻酔なく、確実に餌、薬が投与できること。
猫は、回復すると付けたまま自力で食事します。
(故猫吉は体調崩した危機の時に2度お世話になり、エイズ、白血のダブルのキャリアでも20歳以上の天寿でした。)
操作の仕方は一度、空のシリンジで吸い上げて、ピストンが上がらないのを確認です。ピストンがわずかに動いても手を放すとばちっと戻ります。
これは鼻から先が、気道と、食道に分かれており、猫の食道にいつもきちんとおさまっているかの確認です。カテーテルは猫がいたずらしたり噛んだり非常に危ういものです。毎度確認し、次に少し水をフラッシュするのです。
もしも気道にカテーテルが入り込んでいたら、空気がいくらでもシリンジに入ってしまうのでそこでもう中止です。
次になぜ水か、食べ物が肺に入る誤嚥性肺炎は怖いからです。まだ、水なら取り返しがつきます。
念には念を入れて、水を入れると猫は条件反射的に口を動かします。そこで胃を確認し、流動食や薬剤投与、最後カテーテルを水でフラッシュです。
フラッシュの分の水を計算すると、あまり猫の胃には入らないので根気よく回数分けてです。
◆食道チューブでは、経鼻と違い、鼻から下の食道に差し込んであるので、水をフラッシュし通過の確認、猫が口を動かしてから流動開始、経鼻の最初の吸い上げの確認がないです。
食道チューブの長さは色々あるみたいですが、アカメのは長くて、猫から離れたところで出来るのは操作性はいいのですが、フラッシュする水も多いですので、猫はせいぜい一度に50ml位しか入らないので、やはりこまめにです。消化も3,4時間要します。(猫は30キロカロリー食ってはやめ、食ってはの生活らしく、一度に入らないようで、しかも体重1キロあたり80キロカロリー必要なので、それを人力で補ってやるわけです。)
永久気道をあけた人も猫も、嗅覚を失うのですが、調べるにつれ鼻から気道と食道の分岐の複雑さを今回学びました。
また、経鼻カテーテルも食道チューブも仕組み的には簡単そうですが、素人が猫が食べないからと言ってチューブを口に突っ込んではいけないと思いました。( 漏斗を使用したフォアグラ用のガチョウの飼育イメージで。)
まず素人には気道と食道が解らないだろうし、せめてリドカイン等の麻酔を使わないと猫はショックをおこすだろうし、第一入れる長さがある。
またこのような入った後の確認作業も知らないわけですから、
今回の件で、動物のお医者さんの苦労して学んできたことを、その知識を購入でき、素人が色々うかがえるのは病猫にとって、そして次の猫の将来のためにもありがたいことでした。
さて、最後に両方のチューブを利用した飼い主として思う事は、やるなら手遅れになる前に、猫の体力のあるうちに迷わずにです。これは本当に難しいです、どうしてもぐずぐずと決断を先送りにすると思います。
また、脱水を輸液で補正したり、適正な薬を投薬した後でも、チューブに入れたものがもはや消化されない、この重篤さの事実がわかっただけでも私には勉強でした。
強制給餌だけだったら、一日無理に詰め込む、詰め込み方の良しあしで吐いたのだで終わりでしたから。そして、おそらくしゃべれない猫に最後の最期まで苦行を強いるでしょうから。
もはや考え抜かれた治療食すら消化できない、病院にも通う、そしてやるだけやった後、そっと苦痛を与えずに最期を見守る決断。
人だったらどうだろう、年齢に関係なく最終段階に陥った人に、口から突っ込む等しないと思います。
でも、猫だとわからない、夢中になってしまいます。さらに病院にもいかない場合、善意であってもいじり殺してしまいます。
カラスの場合、多分助けるのに手遅れ、その場合、無治療のほうが楽に逝けたのか、でも、食べていない事実が解っていて放置も苦しかった…。
カラス対決の追悼を書くべきですが、今回送って感じたことでした。
つづく。