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2020年1月21日(火)~3月26日(木)東京・上野の東京都美術館において、『ハマスホイとデンマーク絵画』と題して回顧展が開催されており、私は小さな図書館の分館にて、その割引チケットを1枚手に入れた。
で、撮影禁止なので、あとで図録をパラパラとめくることにして、
テンペラ画でないアンドリュー・ワイエス、ヨハネス・フェルメール、アルベール・アンカー、色のないカール・ラーションというべきか、ここにあげた作家さんが好きな人ならば、見て損はないです。
私は無知なので、今回展示されているどの画家も知らないのですが、もう一枚目から魂を持っていかれました、全ての絵が好きなうえに、自分の学生時代、目指していた好みの風景画がそこにありました。展示されている室内画も人物画も好きです。とにかく基礎が凄い。
会場は空いています、ゆっくり見れるうえに、画学生の女の子お二人がスケッチしていて、その素早さと、正確さに神業を見ました。
一昨年はブリューゲルとリュート、今年は弦楽器と共演ですが、残念ながら今日ではありません。
すぐ隣は芸大です、私と同じ代の友人はバーテンダーをし七浪して入学した友や、他の美大卒でシューズデザイナーをしたり、別の国立大で日本画を学ぶ友がいましたがいずれも無名で、今、彼等はどうしているのか?と、ふと思ったのです。
ハマスホイは時代とともに忘れ去られ、また近年脚光をあてられましたが、一生懸命にスケッチしている画学生のこれからの未来、若かりし日の友人達の事、スタートラインにも立たなかった平凡な自分を思いながら帰ります。
別の展示も賑わっています、これは盆栽展。
都響をもう一度覗いて、上野を後にします。
帰宅して、もじゃ公に即、強制給餌です。
買ってきた図録から。私が思うに、私があげた4人の画家に似ていると思う作品など。
ゴッホと友達で、同時期にアルルを描いたものです。
絵に使われたパンチボウルとトレイは展示され、ひび割れたパンチボウルは絵の中にキチンと描かれています。
ささやかな家で、ささやかに暮らし、音楽が有る。
どのページも好きです、決められない。
もじゃ公の強制給餌、家事、そして、練習。
そして、弾いていた時に、昨日から友人と話し続けている、生きる事のテーマが一瞬解った瞬間があり、
今日の事を、友人に電話をしました。当然私の生い立ちを知っている友人は、私がいくつものスタートラインに立たなかった事情を知っています。
また、スタートに立ったとしても、その後が上手くいくかどうかなんて、今日の上野の展覧会で湧き起った友人達の回想からも、誰も解りません。
例えば、私の友人達は念願の大学に受かった事がとても嬉しそうであったし、人生の最大の頑張りと幸福だったかもしれません、
若しくは、それから先も、沢山のそれ以上の幸せに包まれているかもしれません。絵など辞めているかもしれませんし、続けているかもしれません。
しかし、コース通りに行っても多くの才能が花開き、思うままの人生だったかどうか。
そして一瞬のピークすらも無くても、または学べる機会など得られなくても、とにかく、振り返った時に、自分が悔いの少ないように生きるしかないのだと。
やらない後悔位、やって失敗より、辛いものは無いのだと。
結果はともあれ、頑張った事は最後まで残るのかもしれません。父の場合は二つの大学に苦学して行った事のみで、すべて忘れてしまいました、妻や私の事もです。
友人は沢山聴いてくれて、沢山アドバイスも言ってくれて、最後にこう言いました。
(同じ新聞を取っているのですが、)「今日の新聞に貴女のような方が出ているから読んでご覧!」って。
「貴女は気が付いたのよ、まだ、思い出作りに間に合うのよ!」って。
そして、私は夕べ、同じことを言っていた、練習出来ないというY君に「貴方はまだ私より20もお若い、それだけ楽器に触れるのが羨ましく、全然大丈夫なのよ。」って。
とても静かで美しい絵を観た、
そして、沢山の事をお話しした。
2008年のに行かれたのですね、それはお目が高い。
図録は毎回迷うのですが、でも良き思い出になりますね。
上野の西洋美術館所蔵の絵が、今回も貸し出され、それが、記事に貼ったピアノを弾く奥様の絵なんですよね。
シヤマ様がご覧になったものを、私も観れたわけです。
シヤマ様のオパールの絵などから、
ハマスホイは想像できませんでしたが、この静謐さが良いですよね。
ハマスホイは家具を全部運びだした姿の部屋が理想なので、これはもう、ミニマリストになるしかありません。
それにしても、シヤマ様は不思議なお方です。
つかみどころが無い。
(コメント欄に変なのが湧いていましたが、対処にホッとしております、流石w)
わざわざコメントありがとうございます、大変嬉しかったです!
NHK日曜美術館で紹介されていたので上野の西洋美術館で見てきました。
画集も買ったので引っ張り出したら2008年の秋のことでした。
その頃はハンマースホイと呼ばれてました。
まさに引き算の美学ですね。
私の部屋の床と机の上も引き算できればいいのですが。
いえいえ、出歩くばかりが人生ではありません。
私は基本、引きこもりだと思うんです。
静かなものと、(自分の好みの音楽は別ですが、)
静けさを非常に好みます。
この絵の様な静謐さ、そして、どちらかというと、派手なものは苦手です。
私は嫌な事があって、
どうしても、いたたまれずに出かけただけです。
そうして、自分を更新させていくしかないからです。
tonnko様のように、温かい思い出や、
何かをやり遂げておれば、こんなに悔やむ人生ではなかったでしょう。
それにしても、クラッシックにせよ、淘汰されて生き残った芸術は素晴らしい。
そう思います。
いつも楽しく拝見しております。
いきなりラッセン、あの海やイルカの絵のですか?
日本人が好きな絵ですね。ラッセンも親日家。
かの、アンディ・ウォーホール先生が、ハマスホイを白と三色の灰色(灰色に青が混じって三段階の色調)しか使っていないと言っていますが、
確かに部屋のアクセントにはなりませんが、、、
抑えた色で、素晴らしい表現をしており、
沢山の色遣いに頼らないのは、確かなデッサン力が下地だからです。
悪目立ちしない、部屋に調和をもたらす、いつまでも飾ってもいい、飽きが来ない邪魔にならぬ絵だと思います。
デンマークの王立美術アカデミーでは、変わり者の生徒であっても、当時彼の絵が売れたのは、ヒュッテ@居心地のいい絵だったからだと思います。
幸福度の高い国、デンマークですが、
やはりこのように暮らしの中に詩情溢れる平穏を求める傾向が、かの国民性なのかな?と思います。
nognogblackも、好きな事は手放されないように、応援していますよ♡
もう少し若いころは、独りで上野に行ってのんびり楽しみましたし、もっと若いころは友人と西洋美術館で待ち合わせてから、目的の作品を見て歩いたものです。
今では懐かしい良い思い出になっています。
猫ちゃんたちの介護するあなたを尊敬しております。真似は出来ません。
格子まどから差し込む柔らかな陽光が床に落とす光と影
どの作家のどの作品も、何色か説明すら出来ない自然で柔らかな色調に酔いしれてしまいます。
絵画に限らず芸術は全てオンリーワンだと思いますが、ボクはラッセンよりこちらが好きです。
素敵な作品の数々ありがとうございます。